「ニンテンドースイッチ2」が,2025年6月5日に発売される。今回の新機種にはチャット機能を搭載し,ゲーム相手とやり取り,あるいは協力しながらゲームを楽しめるという。e-スポーツの入門版とも言えるのかもしれない。
しかし,このチャット機能が現在,犯罪に巻き込まれる危険性をはらんでいるとして問題になっている。知らない相手とゲームをしている間だけでなく,日常もつながることで個人情報がオープンになってしまったり,オンラインからオフラインへと関係が発展して事件になるという危険性である。
そもそも,筆者はゲームそのものを否定しているので,オンラインゲームなどとんでもない世界だし,ましてまったく見知らぬ人との会話が成立するなど,恐ろしくて手が出せない。リアルな世界でのゲーム,たとえば野球などのスポーツでは相手の所属が特定できるので判断ができるが,オンラインだとまったく判断がつかないはずなのだが,なぜかその「ゲームの達人はいい人」と思い込ませる要素がそこには存在するようである。
発売まで2ヶ月ある。その間に,オンラインでの登録時の審査を明確にするなどのセキュリティーを掛ける方法を構築できないだろうか。それこそ,マイナンバーと紐づけて個人を特定するとともに,チャットの内容についてのフィルタリングを掛けられる仕組みを作れないだろうか。
5万円近くするゲーム機である。小さい子供も親にせがんで買ってもらうだろうし,高校生以上になればバイトをして自分で購入するのだろう。当然,良からぬ意識を持った大人もこのゲーム機を導入し,犯罪を考えている。購入時のマイナンバーによる登録と,セッション時の認証の仕組みを構築すべきではないか。
もちろんこれまでもパソコンやスマホでは,ゲーム中にチャットをするために別のソフトを使って会話をやり取りしながらのオンラインゲームが行われてきた。このチャット機能が発端となって,子供や若者が性犯罪や詐欺の実行役にされるなどの被害が起きてきている。筆者はこれまでも,インターネットのプラットフォーム業者側に個人情報や誹謗中傷などの書き込みをフィルタリングする機能を持たせるべきだと警告し,さらに「情報発信法」なる法律によってプラットフォーム側を処罰することを提案している(「放送法」に代わる「情報発信法」の制定を提案--コンプライアンスが必要なのはテレビ業界だけでなく個人も対象にすべき - jeyseni's diary 2025/4/5)。今回の可搬型のゲーム機にまでチャット機能を組み込むことは,筆者が提案する「情報発信法」に抵触する可能性があると,改めて警告しておきたい。
さまざまなリアルな体験をすることが望まれる子供時代に,バーチャルな空想の世界で,しかも非現実的な破壊・殺戮といった過激なストーリーを当然なものとして受け入れさせてしまう近年のゲームには,単なる企業の儲け主義と,作者の闇意識の暴走があると筆者は感じる。これらのゲームの感覚に慣れてしまった人間は,いわば「洗脳」された状態になり,リアルの世界での行動の引き金を引いてしまう危険性がある。
かつて,「たまごっち」がアメリカの子供たちの間に蔓延して社会問題を引き起こし,これを禁止する措置まで取られた。「ニンテンドースイッチ2」のアメリカでの予約開始が延期されたのも,トランプ大統領による相互関税措置で同機のアメリカ国内での価格が上昇し,これによる日米双方の販売に対する影響を検討するためだという。筆者はいっそのこと,同機のアメリカへの輸入を禁止した方がアメリカのためになると思うほどである。
ストーリーや表現がますます過激化するゲームやコミック,アニメ,そして音楽や小説,ドラマ,映画,そして生成AIまで,地球環境や大災害,さらなる東西対立などの現実をまるで無視し,さらに助長するようなシナリオには,絶対に反対である。