人型ロボットが“側宙”を華麗に披露 中国Unitreeが映像公開 「世界初の側宙人型ロボット」 - ITmedia AI+ (2025/3/19),ヒト型ロボットがブレイキン? Boston Dynamicsの「Atlas」新映像 倒立、側転、受け身も披露 - ITmedia AI+ (2025/3/21)というニュースが,テレビでも放送された。
人型ロボットでまず驚異的な動きを最初に見せたのは,アメリカのBoston Dynamicsだろう。胸板の厚いボディに細身の手足で,階段の駆け上り下りからバック宙,そして不安定な足場を器用に跳びながら移動する姿は,映画「ロボコップ」の警備ロボットを彷彿とさせ,脅威を感じたものだった。
同社はさらに,イヌ型の4足歩行ロボットも発表した。こちらも不整地や階段の上り下りも平気で,偵察用,検査用としての登場だったが,やがて背中に火炎放射器や機関銃などの武器を搭載した攻撃用ロボットとしての姿も提案された。
これに刺激されたのか,中国でも人型ロボット,イヌ型ロボットが次々と開発された。同時期にブレークしたAIによる適応制御の組み込みにより,押しても倒れない,倒れても自分で起き上がる,そして人とほぼ同じような動作が可能になった。
中国の別のロボットでは,滑らかな動き! 人型ロボットが100段以上の階段登りと雪上走行に成功--人民網日本語版--人民日報 (2025/2/19)のように,不整地のほか雪上も歩けるロボットが公開された。すでに,飲食店での調理や,工場での縫製,クルマの部品組み付けや人がやるような姿勢での目視検査などにも,人型ロボットが使われるようになっている。人型ロボットによるマラソン大会まで開催されている。
1980年初頭に,立っているだけでも不安定,1歩踏み出すごとにバランスを崩して転んでいた二足歩行ロボットの大学での研究事例を見知っている筆者にとっては,隔世の感がある。2000年にホンダが発表したASIMOですら,ドタドタと走るのが精いっぱいだった。その後も,ソニーの小型の人型ロボットや,ソフトバンクの「ペッパー」などが登場したが,いずれも人の動きとは程遠いものだった。
雪上歩行ができる人型ロボットが登場した今,スキーやスノーボードをする人型ロボットは早晩登場することが予想される。そして,その次として氷の上を滑るスケートをする人型ロボットも登場するのではないかと予想する。
スケートの高度な技として羽生弓弦さんがかつて挑戦した「5回転トウループ」がある。4回転のアクセル,ルッツ、フリップ,ループ,トウループをすべて演技に取り入れて成功させたイリア・マリニン選手もいる。バック転は減点にはなるが,競技に組み込むことは可能になった。
不安定な踏み切りから,回転軸を安定させることができれば,おそらく人型ロボットはマリニンを超える演技ができるのではないかとも思える。
さらにスケートボードやBMXなどの自転車競技,中国雑技団のような動作をこなす人型ロボットも登場するのだろう。
AIを頭脳とした人型ロボットが今後どのような世界を作っていくのか,期待よりも不安が先に立ってしまう。