関西万博の入場者数が,「(5月)10日までの28日間の一般客(確定値)が計241万9509人だった」と発表された。この記事を伝えた毎日新聞のタイトルは「大阪・関西万博開幕から1カ月 来場者は大型連休中も伸び悩み」となっている。
万博に否定的な筆者の目からしても,これはネガティブキャンペーンに映る。経費に見合った収益を達成するために弾き出した想定来場者数が「2820万人」なのだが,これに達しないからといって「来場者数は伸び悩み」と表現するのはいかがなものだろうか。
当初から指摘している交通アクセスの貧弱さからすれば,1日あたり15万人を流通させる能力はなく,また会場への入場待ち行列や,各パビリオンでの待ち行列など,「待たない万博」を標榜していたにも関わらず発生してしまったことに対して,システムも十分に検証されていなかったし,想定がおそらく単純なシミュレーションに基づいて行われただけという甘さから来ているのだと考えられる。
「待たない万博」を引き続き進めるなら,むしろ1日の入場者数を現状の半分の5万人ぐらいにし,単に入場券収入だけでなく,広告掲載,グッズ販売,Web上でのイベント開催など,別の収入源を早急に設定し,そちらで売り上げを伸ばすことで目標達成を目指す方がいいのではないだろうか。
大屋根リングにしても,全面再利用という方針から一部保存といった話にすり替わりつつある。建設費も膨大なら解体費も膨大になるから,当然の措置と思われる。さらに,命名権販売や部分的に完全販売してオフィスなどへの転用を促すなど,いくらでも方法はあるだろう。ちょっと頭を使えば,柱はそのままむき出しにして,床を張れば立派で格好のいいオフィスに転用することも可能だと考える。
パビリオンもそのままビジネスシティにしたり,もう止まらないだろう隣接のカジノ施設のための遊園地としての転用も考えればいい。更地にするほど馬鹿げた話はない。
また将来的にこのエリアをもっと活用するのなら,橋の通行帯の拡張工事などを引き続き行えばいい。その活力を見せれば,日本の底力を知ってもらえるチャンスでもある。
1つのビジネスモデルがうまく行かなければ,別のビジネスモデルに切り替える必要がある。まだ開始して1カ月である。季節の移り変わりとともにいろいろな方法を試してみるべきだろう。