備蓄米がいよいよ市場に出てくる。放出決定から4ヶ月もどこに行っていたのか,という思いで,待ちわびていた国民が多い。
そこに水を差すのが,評論家である。彼らは,他人と違うことを言わなければ仕事にならない。そして多くがネガティブな評論で不安を煽る。今回の備蓄米放出で,最初に市場に出てくるのが2022年産と2021年産で,それぞれ古古古米,古古古古米などとメディアでは呼ばれている。9月ごろに出てくる新米までは前年産なので通常なら現在出回っているコメは2024年産ですでに古米なのだが,備蓄米がさらに以前に獲れたとして「古」を強調していて,いかにも品質が低下しているように聞かせているように思える。
言葉はまさにプロパガンダであり,強い印象を与える。「老人」「年寄り」「障害者」などというレッテルを貼っているのと同じである。備蓄米についても言葉による意識誘導が行われているように思われる。
その話題に油を注いで炎上させているのが,評論家である。またさらに政府の対抗勢力である野党も,あえてネガティブな言葉で評論する。幼稚だなと思うのだが,これが一般国民の不安をさらに煽る。
加工食品のCMや食品比較番組で「食の達人たち」を呼び,「これはもうプロ級ですよ」とか「ビックリしました」とか言わせて,食品の「格付け」をする。もちろん,プロの味評価なので間違いはないし,メーカーやテレビ局に対する忖度もないだろう。しかし,出演料は相当高額に出されているとも思える。
さらにタレントで食通と言われる人が評価を下す番組もある。あらかじめ答えが教えられているかのように,100%正解で評価が進む。富裕層はいくらでもカネを出して,いい素材でいい料理人で過ごしてきたから,違いが分かるというのである。
コメマイスターという人たちも存在する。全国津々浦々で生産されるコメを,毎年のように評価して格付けする。このコメは〇〇に合うとか,いろいろ勝手な(失礼)評価を与える。
今回の備蓄米で,ようやく市場で手に入るのが,2022年産米であり,呼び方としては「古古古米」である。「以前,古米を食べたがまずかった」だの「こんな古いお米は扱ったことがないから不安だ」とか,今回の備蓄米を実際に食べて評価する前から疑心暗鬼の評価をする。またマスメディアも意図的とも思えるようにコメントを取って流す。
それでも必要な人は欲しいと思うわけだが,予約販売がされた途端に2時間で完売するサイトも出てきた。転売ヤーの仕事としか思えない。
実際に食した小泉農相は「少しパサパサする感じだがおいしい」と言い,玉川徹は「区別がつかない」とした。そうしたらネット上では格付け番組に出てくる王者を出すべきだろう,というコメントが出てくる。そもそも,富裕層はコメ不足など感じていないし,特選米を手に入れるのに何の不自由もしない。さらに彼はご飯は食べない主義だったように思う。
冷蔵保存中にコメの中の水分量が減っていることは理解できる。それを理解した上で,炊く前に水に浸す時間を長くしたり,水の量を多めにするなどの調整は必要だろう。逆に,新米の時には水の量を少し減らすなどの調整をするのが普通である。普通に炊いて少しパサついた感じだったら,水の量を追加するなど調整すればいい。そもそも厳密にコメの量と水の量を計って炊いている人の方が少ない。普段の炊飯でも,ベチャベチャ,パサパサはありうる。ベストな水加減にして味を評価するべきだろう。
食品のおいしさについては,近年は一気に計測技術が発達している。味覚センサーの開発,味覚ロボットの開発,そして電流制御でスプーンに入れたただの水を食品の味に変えてしまう技術も開発されている。備蓄米を放出するにあたって,なぜこうした技術評価を出さないのだろうか。開発した大学は,名乗りを上げないのだろうか。
素人的に考えると,長期保存することで味は落ちる可能性が高いと思われる。しかし,世の中には「熟成」「追熟」「雪下〇〇」など,冷蔵状態で寝かせることで甘みや旨みが増す作物もある。ジャガイモやサツマイモ,ニンジン,ダイコンなどでよく行われている。コメもデンプン系なので,ひょっとして甘み成分が増えていたりしないものだろうか。そういうところは科学のエビデンスで示すべきではないかと思うのである。