jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

水上ドローンが軍事用に注目され配備が進む--この分野でも日本の遅れが際立つ

人は乗りません!「撃ってくる無人戦闘艇」韓国で初披露 日本やアジアで増殖する“海の無人機” | 乗りものニュース (2025/6/18)を読んで,そういえばウクライナ紛争で同国がUSV(無人水上艇:Unmanned Surface Vehicle),つまり水上ドローンでロシア海軍の大型船を撃沈したニュースを思い出した。UAV(無人航空機: Unmanned Aerial Vehicle),つまり一般に言われるドローンに相当する。

 UAVという言葉を筆者が最初に意識したのは,2011年3月11日の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の水素爆発の状況を空中撮影した国産の飛行機型UAVである。放射線汚染の可能性がある危険作業を無人でおこなった業績は高く評価していた。

 民間レベルでは,4軸プロペラのドローンが普及し,ドラマなどの空撮に使われるようになった。一方で,軍事用としては高高度からの監視用の大型の飛行機型ドローンがアメリカで開発され,さらにミサイルの目標設定用にレーザー照射するなどの使われ方がされてきた。しかし,ウクライナ紛争では小型の飛行機型ドローンに爆弾を搭載した自爆型ドローンがミサイルの代替的な武器として使われるようになった。1機のコストがミサイルの1/1000と安いからである。民間向けの4軸プロペラ型ドローンも,敵の監視や捕捉用に使われるようになっている。

 ウクライナ紛争ではさらに自爆型の水上ドローンも使われるようになった。ロシアの複数の大型軍艦が狙われたり,2025/6/3にはクリミア大橋の橋脚の爆破にも水上ドローンが使われた。

 上記の記事を読むと,シンガポールや台湾,韓国など各国が,USV=水上ドローンを警備用および攻撃用として配備しつつあることが報告されている。海上自衛隊でも開発が進められているようだが,なんだか開発の動きが遅いし,機動力が疑われるような設計になっているように思える。ドローンにしても水上ドローンにしても,もはや「数」がモノを言う段階に入っていると思えるのである。

 ただ,台湾にしろ韓国にしろ,軍事的緊張のある国では,海上での一般船の運行についてもかなり制限されていると思われる。一方で日本は,船舶航行の上での法律はあるものの,プレジャーボートや釣り船など,ある意味で勝手気ままに運行している小型船も多数ある。その中で無人のUSVを問題なく運用できるのかどうか,かなり怪しい気もする。USV側に周囲の船舶と接触しないようなレーダーやセンサーの搭載も必要かもしれない。その分,コストも掛かるが,自爆用ではないのでできるだけ搭載してほしい。

 監視用の水上ドローンは,長期間にわたって稼働させる必要があり,そのためには太陽電池パネルによる発電機構も必要になる。運用する人員も少ない状態であり,自動化によるメリットは計り知れないと思われる(風力&太陽光で駆動し海上で数カ月自律航行も可能な軍用海上ドローンの試験運行をデンマークがスタート - GIGAZINE 2025/6/17)。また,攻撃用の水中ドローン(魚雷型ドローン)も開発され,実戦使用も進められている。監視用の水上ドローンは,こうした水中ドローンの発見・防御にも威力を発揮すると考えられる。

 ミサイル攻撃に対しては迎撃ミサイルしか打つ手がないのでコストは掛かる。空中ドローンに対しては,レーザー兵器が必要になる。防衛用に空飛ぶドローンは無意味である。その点,水上ドローンに対しては水上ドローンで対抗できると考えられる。重要な港湾に対して多数の配備と運用が必要かと思われるのだが,あまり危機感を持っていないような気もする。