Microsoft社が,Windows10のサポートを2025年10月12日で打ち切るとし,Windows11への切り替えを半ば強引な方法で進めてきている。
市場に出回っているWin10搭載PCは,MS社が提供するアップデート診断ソフトの診断で不適格とされるものがかなりある。そのほとんどが物理的な機能が不足しているためにアップデートできず,Win11対応PCへの買い替えが必要とされてきた。実際,これまでWin11へのアップデートは,MS側から連絡が入った順番にほぼ自動的に行われてきた。筆者のメインノートPCも,オフィスのデスクトップPCも,比較的初期の段階でWin11に切り替わった(Win11アップデート完了--とりあえず問題なく,動作は少し速くなった気がする - jeyseni's diary 2021/12/11)。しかし,自宅のサブノートPCはアップデート不適格PCで,いよいよ手放すことになるかもしれないと思っていた。
この流れの中で,MS社が期間限定でWin11不適格PCでもアップデートできる方法を提供した。Win10を使い続けているユーザーがまだまだ多く,Win10の欠陥を突いたコンピュータの乗っ取りなどの危険性をなるべく早く無くしたかったことと,Win11対応PCの売れ行きが今一つ伸びていなかったためだと思われる。世界的に景気が低迷し,古いパソコンを使い続けるという意識のユーザーが増えたことも原因だろう。
すると,何らかのハードウエア的な問題でWin11に対応できないと思われていたマシンでも,Win11を搭載できる方法がいくつも紹介されるようになった。要は,MSとインターネット接続した状態でアップデートするのではなく,単にWin11のインストールディスクをダウンロードして,そこから新規(あるいは上書き)インストールしてもWin11が動く,という道が提供されたのである。ただし,この方法は正規サポートを受けられる方法ではないため,インストール後のアップデートへの対応ができない可能性があったり,インストール後に動かなかったり,さらに未知のバグを突かれる可能性も否定できない。
さて,サポートされない,あるいは不具合が起きるかもしれない,ということを前提に,自宅のサブノートPCをまず生贄にしてWin11化を試してみた。すでに数ヶ月が経過するが,いまのところ不具合は見当たらないし,アップデートにも対応している。ただし,どこに不具合がないという保証はない。ちなみにインストール時に既存の複数の大型アプリケーションは動作しなくなり,ソフトの再インストールを余儀なくされた。参照しているフォルダが変わるなどの変化があったことが想定される。
Win11のインストールデータを無償でダウンロードできるようにしたことは,MS社としては画期的というか,やむを得ない事情があったのではないかと推測する。同社が絶対王者だった時代は終わり,いまやアプリケーションまで生成AIで作られるような時代になってしまった。OSでの独占ができなくなり,AI開発にシフトしなければ生き残れなくなりつつある。AIで覇権を勝ち取った企業が先端を走り,OSやパソコンは従属的な存在になるからである。
とはいえ,筆者レベルの使い方では,従来からのOfficeとファイルメーカー,Adobeのデザイン系ソフトやAcrobatなどが使えることが前提なので,Windowsは必須である。ただし今後数年で,大きな地殻変動が起きるのではないかという予感もする。そのときはもう第一線を離れているかと思われる。Win11とともに,もう少しの間,平和なパソコン生活を送りたいと考えている。