長崎デザインアワード受賞 | 網エコたわし - 天洋丸ショップ。使い古した漁網をリサイクルして食器洗い用のたわしとして販売している。先日のテレビで紹介されていたが,長崎デザインアワード2021大賞受賞とあるので,もう5年ほど前から売られていたものらしい。これまで,ただ捨てるだけだった漁網を再利用していること,またどうやら,これまでの多くの捨て方が海に放棄していたと思われることを考えると,再利用によって海洋ゴミが減る効果も期待される。ただ,これによる再利用は1%にも満たないと思われる。また今回の漁網がイワシ漁用の目が比較的小さい網であり,一般的な漁で使う目の荒い網では,食器洗い用たわしには転用はできない。
筆者は,食器洗い用には「ダイソーのあみたわし」を愛用している。よくあるスポンジでもなく,ネットのかかったスポンジでもなく,要はその「ネット」だけの製品である。ネットワークを見ても,結構お薦めのコメントが多い。同社のネット通販で見つけられないが,店舗にはあると思う。
手触りは浴用のアカスリタオルよりソフトだが,多少こびりついた汚れもこすり落とせるぐらいの硬さはある。食器洗い洗剤をつけての泡立ちも抜群にいい。
特筆すべきは,その寿命の長さと清潔さキープ力である。なにしろメッシュなので水はけが抜群にいい。油汚れを洗ってネットに油分や汚れが残っても,もう一度洗剤をつけてよくモミ洗いして流水で流せば,ギトギトの油もネットからきれいに落ちて,ほぼ元通りになる。しかも,乾くのも早いので,清潔さをキープできる。
さらに驚くべきはその寿命で,正直,もう何年使っているだろうか,というほど,一度も捨てたことがない。丈夫なプラスチックの能力を遺憾なく発揮している。
これまではスポンジも使ってきたし,焦げ落としには硬質のスポンジたわしも使ってきた。しかし,スポンジはすぐにヘタってしまったり,崩れたりする。さらに,油を洗ったあと洗っても,スポンジの中央に油分が残ってしまい,次に洗うときにベタベタした感じになることがある。水キレも悪く,雑菌が繁殖しやすい。使い終わったスポンジに洗剤を掛けて1晩置けば消毒される,というコマーシャルもあったが,それは洗剤の無駄使いである。
ヘタったスポンジは廃棄するが,実はそれ以前に細かいスポンジクズが排水と一緒に流されていく。細かい破片はまさにマイクロプラスチックとなって海まで流れていってしまう。
いろいろな意味で,あみたわしはお薦めできると思う。ちなみに筆者はプラスチックストローも使うが,洗って何度でも使っている。たとえば水筒やペットボトルの飲み口に使うストローなど,1本で数年使ってもヘタることがない。
さらに言えば,海洋プラスチックゴミの重量的に半分は廃棄した漁網だと言われている。海洋生物が絡まって被害を受けているのは,主にこの漁網と廃棄された釣り糸である。また目に見えないほど小さいマイクロプラスチックの半分は,実はタイヤの摩耗粉だとも言われている。ほとんどのタイヤが合成ゴムであり,さまざまな成分を含んでいる。
もちろん,レジ袋をカメやクジラがクラゲと間違って食べたり,ストローがカメや海鳥の目に刺さったりというのも事実である。家庭からのプラゴミが海に流れて海岸に打ち上げられたり,あるいは深海まで沈んでいるのも事実である。プラゴミがさらに劣化して数ミリサイズの細かい破片になっていることも事実である。
しかし,表面的な現象に対してレジ袋の有料化や紙ストローの使用などの対症療法は,ほとんど意味がない。逆に,フードロスの低減のためには,密封できるプラスチック以外の選択肢はほとんど考えられない。
プラスチックの使用量の削減はもちろんのこと,できるだけ長く使うことや,不要な使い方をしないこと,別の利用法への転用などの「リユース」を考えて,生産量と廃棄量を減らす「リデュース」の努力は必要である。しかし,残念ながらペットボトルを含めてほとんどのプラスチックが複合材料でできており,同じ品質の素材ではないため,「リサイクル」はほとんど無意味になっている。石油が原料なので,燃やせばCO2が出るが,効率よくCO2を回収しながら燃焼廃棄し,その燃焼熱をエネルギーに変える「サーマルリサイクル」しか現実的な解はない。埋め立ても限界がある。