筆者はこれまで,スマホのGPS機能を使って現在自分のいる場所の住所を表示させたり音声合成で読み上げる「耳ナビ」の実験を続けてきた。自分の好みの間隔で,自分の好みのメッセージで,表示・読み上げを実現するためには,Google Playなどにアップされているアプリでは満足が行かず,かといって自分でプログラミングができるわけでもないので,スクリプトベースのMacrodroidを使ってマクロを何個も作り,使っている(逆ジオコーディングはYahooで満足のいく出力ができた--求めていた“住所読み上げ耳ナビ”をMacrodroidで完成 - jeyseni's diary 2024/11/21)。クルマ用には,自分がよく利用するコースのポイントとなる大きな交差点や駅などに接近したときに音声メッセージを発しているし,歩行用にも駅までの途中の交差点名を読み上げるようにセットしている。
ところが,その検出精度にはバラつきがある。同じ交差点に接近しているのに,メッセージを出す場所が都度違うのである。別に究極の精度を求めているわけではないのだが,あれっと思うことが続いている。
同じことが,スマホでカーナビアプリやマップアプリを使っているときにも感じていた。自車の位置を表示している矢印マークがクルマの動きとずれたり,クルマが動いているのにマークが停まっていたりすることがたまにあるように思えた。
いずれも,GPSの機能を利用しているわけだが,歩行時はスマホを胸ポケットに入れているし,クルマではボンネットの手前に取り付けてある。電車に乗っているときは,車両という箱の中で使っている。一方で,クルマに固定してあるカーナビシステムは,ボンネットの奥,フロントガラスの真下にGPSアンテナを固定してある。
複数のGPS衛星からの微弱な電波をキャッチし,それを使っていわば三角測量の原理で自分の位置を検出できるのがGPSの基本的な機能である。とすると,筆者のようなスマホの使い方の環境では,正確に電波を受け止めているのか,という疑問が湧いてくる。逆に,カーナビアンテナの設置には気を使ったが,スマホGPSは気楽に使っているのに期待以上の精度で位置を認識できている。超小型ながら非常に高性能なGPSシステムがスマホには搭載されていると言ってもいいだろう。
さて,筆者のカーナビシステムは四半世紀前のもはや歴史的なロートル機である。アンテナが全天をなるべく見られるいわば野ざらし状態に設置しないと電波を捉えられないとも言える。しかし,スマホナビでは,ときに不正確な位置を表示するのに悩むことがある。もちろん,地下鉄内やビル内では誤表示するのは理解していても,車載時により正確に動作させるような仕組みがあってもいいかなと思い始めた。
と,ここまで書いて,例のごとくgoogle検索してみると,「Androidタブレットに外付けGPSをつなぐ」といった実験例がいくつか検索できた(タブレット利用のナビ、外付けGPSを使って動作出来るようにしてみた | とっぷあうとの趣味)。この中で紹介されていた外付けユニットはこちら(DG-PRO1S - 高精度・高更新レート・Android™用Bluetooth外部GPS - BizStation Corp)。これを使えば,タブレットはある意味でディスプレイとして利用するだけで,GPS信号の取得から位置処理までを外付けユニットでするという,カーナビ同等の検出精度が期待できるようである。
以前から書いているが,現在車載のロートルDVDカーナビは,マップDVDが2014年版を最後に更新されていないが,とにかく地図が見やすいので手放せない。外付けアンテナで検出精度も高い。次にクルマを乗り換える可能性はちょっと少ないが,おそらくほぼどの新車にもディーラーオプション(ないしサービス)でそれなりのカーナビが搭載されているだろう。ならば,スマホをカーナビに全面的に使うのは,酷使しすぎかなとも思う。
かつて,30年前にWindows 95搭載の超小型PC「東芝Libretto 60」を手に入れたとき,GPSアンテナ対応の地図ソフト(MapFanだったと記憶する)が販売されたので購入して実験したのを思い出す(といっても記憶がかなり不正確だが)。対応するGPSアンテナはソニー製だったと記憶する。かつてNHKの「プロジェクトX」でも登場したパイオニアのカーナビが発売されたのが1990年。PCで実験するには,車内での電源の確保など問題山積だった(何しろバッテリーが2時間しか持たなかった時代である)。7インチの画面で地図上に自車位置が表示される実験は楽しかったが実用的ではなかった。やがて,CDマップ搭載のポータブルカーナビから車両固定式のナビへと投資していった。
携帯電話も,最初は音質のいいPHS派を貫いてきたが,GPSで歩行者ナビを初搭載したau携帯電話に乗り換えた。歩きながらの歩行者ナビは外歩きなので,意外にも位置精度は高かったと思う。その後,スマホに変わって,マップはgoogle mapやYahoo!マップを利用。それぞれのナビ機能で十分かなと思いつつ,正直言ってまだ専用カーナビの性能の方を信頼している。
現在のカーナビは,GPSだけでなく,タイヤの回転から正確な走行距離を読み取ったり,加速度センサーを使って自車の進行方向をトンネル内でも正確に想定することで,GPSや地磁気の検出が難しいトンネル内での分岐ナビなどを正確に実現している。
クルマの運転は,目で外部の情報を受け取って,瞬時に判断するという実にエキサイティングな行動だと思う。ただ,間違ったルートを走るとトンデモないことになるので,カーナビはあった方がいいと思っている(かつて,どんどん細い道に迷い込んで,バックでしか抜けられなくなった経験がある)。
もちろん,カーナビの指示どおりに動くだけなら,現在,実験から実証へと展開が勧められている自動運転まで行かなければ事故は減らせられない。しかしそれではクルマを運転するという楽しみがなくなってしまうだろうと思う。まあ,筆者の存命中に乗ることはないだろう。
そういう意味では,カーナビシステムはクルマ運転時の良きパートナーである。現在,ロートルDVDカーナビと,ディスプレイオーディオでのYahoo!カーナビ,そしてスマホ上でSidewaysというアプリを動かしている(sideways--ラリーのコドライバーみたいな指示をしてくれるアプリ。雨の日や夜間、首都高に最適かも - jeyseni's diary 2025/6/10)。Yahoo!カーナビは,スマホからAndroid Auto経由でgoogle音声アシスタントを使って音声認識で行先設定をできるようにしてある(設定できるのは今のところ行先だけで,しかもナビスタートはタッチパネルでの操作が必要なのが残念だが)。それぞれ,目的地に向かってナビをしてくれるのだが,ややこしい交差点では判断が異なることがある。安全側に遠回りする設定を提示されることもある。どのナビの判断を選ぶかというちょっとしたスリルと楽しみも味わっているところである(ディスプレイオーディオには外付けのGPSアンテナが接続されているので,スマホと連携して地図アプリやナビアプリを表示しているときはこの外付けGPSアンテナで位置捕捉していると思われる。スマホを車内のどこに置いてあっても,スマホのGPS機能は使われていないので,より正確な位置が表示されていると思われる)。
指定ポイントへの接近をより正確に知らせてくれる仕組みを,現在も探し続けている。1つ面白い解決策として,山歩き用のGPSシステム「ジオグラフィカ」の実験を始めた。山歩き用なので,あらかじめ地図でコースを設定し,チェックポイントを正確にトレースしているかどうかが確認できる。ポイントへの接近と到着を音声で知らせてくれるのも面白い。ただ,どこまで接近したのか,もう少し細かくカウントダウンしてくれるような機能がほしい。またスマホあぷりなので,車載だとやはり位置検出・計算が不正確ないし遅いようにも思える。
同じような機能をMacrodroidでも作ってみたが,こちらもまだ正確な動作は実現できていない。感覚的には,スマホ内蔵のGPS精度を上げる外付けアンテナとの併用かなと思うが,さすがにそこまで投資することはないかもしれないと思っている。