ブラジルでCOP30開幕…温室ガス排出2位の米国は不在、削減に向け加盟国の協調焦点 : 読売新聞 (2025/11/10)。
国連の「SDGs」にしても「核兵器禁止条約」にしても,この「地球」という閉鎖空間の中に,我がままな国やリーダーがいるのは,満員電車の中で平気で咳・くしゃみをするヤツがいる状況と同じなのかもしれない。CO2排出にしても,核廃棄物にしても,排出すれば閉鎖空間から外に出ることはない。
核兵器の中のプルトニウムも処理は厄介だし,発電用の燃料でエネルギーを取り出せたとしても,やはり放射性廃棄物は残る。最終的にはこれをコンクリート詰めにして地中に埋めて「廃棄」するしかないのだが,まだ方法はある。一方,CO2はすでに大気中に広く拡散し,これを回収する方法もさまざま提案され,実際に事業としても動き始めたが,残念ながらほぼすべての事業が採算が取れずに挫折している。しかも,電力需要はさらに増加し,再生可能エネルギーではまかない切れず,いまだに石油,石炭を燃焼させる火力発電所に頼っている。排出量を減らす手段を講じても大気中のCO2を減らす効果はほとんど実証されていない。
このような地球の瀕死の状況の中で,「サステナビリティ(持続可能性)」や「世界は一つ」といった言葉が虚しく響く。
産業革命で手に入れた石炭と石油,そして電気。20世紀に手に入れたプラスチックと核エネルギー。そして21世紀はドローン,ヒューマノイドロボット,そして生成AI。20世紀までの発明・発見は,人類を豊かにする一方で,人類を破滅に導く危険を孕んできたが,それを人類の理性・知恵で抑えるための会合が結成された。それは必ずしも効果的な結果に繋がっていないが,少なくともアクションはあった。
しかし今世紀の発明は,「次の世代」に残すには極めて危険な発明となる可能性があるとともに,それを抑えようという理性・知恵の動きが現時点ではまったくない。ドローンもヒューマノイドロボットも生成AIも,いずれも経済原則に視点のある民間企業の暴走を招いているからである。しかも,米,ロ,中という大国のリーダーが,自国の利益を最大化することに加担して,助長しかしていない。その他の有象無象の国や企業が,いくら話し合いをしても,大勢に影響がないという状況になっている。
特に生成AIの暴走は,電力の大量消費という地球環境に逆行する方向で複数企業が暴走している。これを止めるためには,「地球保護法」という新しい線引きが必要だと思うのだが,これに違反した人物や企業を取り締まる機関もない。本来なら,国連がこの役目を担うはずだが,米,ロ,中という3大国の拒否権を持たせたことで,機能不全に陥っている。
中国は人口14億人で横ばい,ロシアは1億4000万人で横ばい,一方,アメリカは3億4000万人で増え続けている。中国を抜いて現在世界一の人口を誇るインドは14億5000万人で,こちらも増え続けている。本来なら,世界一の国家が声を大にして「地球保護法」を提唱・牽引して影響力を発揮してほしいのだが,そのインドも経済成長第一で,世界のことを見ているとは思えない。
ここは,世界一の経済復興を遂げ,中国やインドに匹敵する2000年という長い歴史を持ち,世界中からその誠実さ,勤勉さ,親切さ,礼儀,そして文化と,技術力,企画力を称賛される日本こそ,自信を持って発言すべきところではないだろうか。水素エネルギー技術,養殖技術による食物生産技術,そして環境技術,省エネ技術など,いくらでもカードは持っているからである。
どうやら,アメリカはトランプ大統領が暴走してしまっており,日本の安全保障も危うい。地球温暖化に対しても否定的である。地球のことを考えると,中国,インド,そしてロシアと組んで,地球人口の4/5で共闘を組み,ここにヨーロッパ諸国,アフリカ諸国を巻き込んで,アメリカ包囲網まで実現できるかもしれない。
筆者は,眼の前の戦争による一般人の被害を1人でも減らすための最短距離としての「平和」を実現しようとするトランプ大統領のディールには大いに期待した。実際,イスラエルによるガザ侵攻は,停戦合意まで漕ぎ着けた。その後の姑息な動きがあることによって,お互いがまた疑心暗鬼となり,空爆が続いているのは残念なことである。ウクライナ紛争についても,双方の対話を実現させたトランプ大統領の手腕は驚くべきことだと思う。しかし,それがアメリカ第一主義,経済第一主義にも偏ってしまっており,地球保護に逆行しているのが残念である。
COP30の開催国であるブラジルは,アマゾン流域の広大な熱帯雨林を持ち,地球保護の先頭に立てるはずなのだが,森林開発や森林火災などの影響で発言力がなくなってしまっているかもしれない。しかし,今こそリーダーシップを取ってほしいものである。