NHKニュース おはよう日本 2025/11/17(月)07:00 の放送内容 ページ1 | TVでた蔵。コメの値段が下がらない理由の1つが,農地の貸し借りを禁止した農地法にあるという指摘である。地主から土地を借りた小作が,地主制度がなくなった後に農地を貸し借りしてまた地主制が復活するのを防ぐために農地法が作られた。しかし,このために農地が小さく分断され,農業従事者が減った現在,放棄農地が増え,機械化などの農業規模の拡大ができないのが,高いコメの原因だとする。
しかし,比較対象となっているアメリカと違って,日本では同等のコストで運営する大規模農業ができる平地が少ない。農地法のあるなしに関わらず,低コスト化には限界があると考える。
2024年はコメ不足による高騰があり,2025年は供給量が増えてコメ不足は解消したのにもかかわらず,新米のコメ価格が下がらないのは,JAによる概算金制度が原因である。2024年を上回る概算金を設定したため,コメの販売価格は2024年の1.5倍になっており,市販価格は5kg5000円前後から下がらない。2024年の高騰を受けて備蓄米の放出,アメリカ米の輸入により,新米より安い古米が消費の対象になっている。仕入れ価格が高い分,新米の価格を下げれば利益が出なくなる。したがって,売れなくても価格を下げるわけにいかない。
これを解消するための方策として,「おこめ券」を配布するという案が出されているが,結局は農家の収入を保護する一方で,消費者の税金を再バラマキするという本末転倒な行政になろうとしている。概算金を下げ,その分の補助金を農家に対して出す,という政策にすれば,農家も利益が出るし,市場価格は下がって新米も普通に売れるようになり,物理的におこめ券を発行・配布するという事務手続きのコストもなくて済む。
時代が変わり,消費傾向が変わり,海外からの観光客の動向が変わったというのに,モノづくり,食糧生産などの体制が変えられないので,時代遅れの政策になってしまっている。モノの基準となる法律は必要だが,その柔軟な運用ができなければ,政治も経済も足を引っ張られる。
その法律の是非について議論する国会が,ギャグの応酬,揚げ足取り,劇場型など,いっこうに政策論が行われないようでは,国民も国も臨機応変な動きができない。コメ問題も税金問題も,さらに国会でも問題発言となった国防政策でも,何も手を打てないままである。
大統領制は,いろいろな問題はあるものの,緊急時への対応が即座にできる点では優れている面もある。特に外交面では瞬間的な判断が求められる。アメリカ,ロシア,ウクライナ,イスラエルなど,大統領の判断で作戦が進行する。中国も北朝鮮もそのような即座の対応が可能だが,日本はただ指をくわえて被害が拡大するのを見ているだけになるのではないだろうか。自然災害への対応にしても,地域の要請がなければ自衛隊の派遣ができないなど,柔軟性に欠ける印象である。
終戦以前の日本は,天皇陛下がいわば大統領と同じ権限を持っていた。戦争を始めるのも終わらせるのも天皇の言葉だった(軍部に操作された面はあるが)。戦後の天皇には政治的な権力もなくなった。民主法治国家として,自由競争が日本を世界2位の経済大国まで押し上げたが,企業の人件費削減というコスト削減の判断ミスにより,技術も人材も海外に流出してしまった。
高市新首相の不用意な発言により,中国との感情の歪みが生まれ,中国は即座に日本への留学や渡航に対する制限措置を取った。逆に,日本への旅行客の増加が経済効果を生む以上にオーバーツーリズム状態になってしまったが,日本には何の打つ手もない。一方で,漁獲量を法律規定よりオーバーしたからといってスルメイカの漁を禁止してしまい,市場に流れなくなっている。市場での必要量は確保する,という柔軟な政策が取れない。
会社の社長は,基本的に全権を把握し,全責任を負う。日本の首相は,責任を負って辞めるが,全権は把握できていない。方向も変わらないし,議会の承認がなければ動かない。即断して後から法廷闘争で争うという権利も持っていない。もちろん,今の天皇陛下も今後の天皇も,政治的な全権掌握をするつもりはないだろう。
国民の利益を考えて,反対論があろうとも実力行使するリーダーは日本にはいないし,それをクーデターでひっくり返そうという勢力も日本にはない。まったく活力のない国になってしまっている。
かつて筆者は,トヨタ自動車の豊田章男会長に首相になってもらいたいと書いた(豊田章男氏がトヨタ自動車会長に--次は日本再生に乗り出してほしい - jeyseni's diary 2023/1/28)。日本の経済を引っ張ってきた自動車産業が,再び日本経済を牽引してほしいと考えたからである。しかし,ここに至って生成AIを牽引する孫正義ソフトバンクグループ会長に,日本を牽引する使命を持ってもらうこともイメージしている。インターネットにつながるシステムが,世界に影響を与えるという点では,クルマよりも生成AIが鍵を握るようにも思える。
前政権で農林水産大臣として農政に一矢を投げかけた小泉進次郎氏が,現政権では防衛大臣を務めている。高市首相とともに国防政策において新しい,そして素早い対応をできるかもしれない。二人とも「怖いもの知らず」という点では変な期待ができるような気がしてきている。