接着剤が苦手である。指に付いたり,周りを汚したり,そして結果として外れてしまったりする。
一番信頼しているのが,木工用ボンドである。酢酸ビニル樹脂が接着成分である。とにかく木材同士の接着は非常に強力で,本気で外そうとして材の表面が剥がれるほど強力にくっつく。布同士の接着も強力で,糸で縫って補修した後に補強のために木工用ボンドを塗ると,カチカチに固まって糸の抜けもなくなる。ほとんどの補修跡が透明になるのも好評価である(ときどき白っぽく残ることもあるが)。安いし,しばらく使わなくてもチューブの中で固まってしまうことが少ない。使うときに酢酸の酸っぱい臭いがするのが玉に瑕ぐらいで,固まってしまえば問題ない。
昔からある万能ボンドG-17。接着成分はクロロプレンゴムだという。黄色い粘性のある材を接着の両面に塗り,ベタつかなくなるまで乾かし,合わせると強力に接着する,というのだが,残念ながらこれまで満足いく接着ができたことがない。最初はくっつくのだが,そのうち剥がれてしまうことが多い。一度剥がれると,接着面が接着剤で汚れてしまっており,これを剥がすのに難儀したりする。固まっても黄色い色なので目立つし,接着時に手に付きやすい。均一に伸ばすのもコツが要る。金属チューブに入っているが,1年以上経つと中で固まってしまうことがある。
手軽ですごい発明だなと思ったのが瞬間接着剤である。CMでは鉄板同士をくっつけ,数秒後にはクルマを持ち上げても外れない,といったプレゼンをしている。しかし,接着面が完全に一致しない限り,強力な接着力は得られない。ほとんどのケースでは残念ながらすぐに外れてしまう。接着周辺が白くなってしまうのもデメリットだし,指に付いたら指同士があっと言う間にくっついてしまう。はがすにはぬるま湯の中でゆっくり揉むようにするといいとあるが,厄介に思ってしまう。一番問題なのは,新しくフタを開けて使ったあと,次回使おうとしてもほとんどの場合,固まって使えなくなることである。もともと,空中の水分と反応して硬化するので,1回フタを開けると空気が入ってしまい,チューブの中でも硬化が進んでしまうのだろう。標準が2g容器なのだが,1適2適使っただけで使えなくなってしまう。
この瞬間接着剤を単独で使わずに,重曹の粉と合わせて使うという方法を知った。たまたまYoutubeで別の動画を見ているときにふと目に止まったのである。接合部に重曹を振りかけ,ここに瞬間接着剤を垂らし,ということを繰り返すと,頑丈に固着するというのである。特にプラスチック部品の破損にも使えると紹介されている。
瞬間接着剤の成分はシアノアクリレート。つまり接着剤が固まるとアクリル樹脂になる。接着面が狭いと接着力は限られるが,その周辺まで層状にくるむことで頑丈に固定できるというのである。板状のプラスチックの場合,部品同士をまずハンダごてで溶かしながら裏側を接合する「プラ溶接」という方法を使った上で,表側にこの瞬間接着剤+重曹で隙間を埋め,最後に紙やすりで表面を平らにするという方法も紹介されている。
この手法はさらに応用があり,粘土型やUV硬化アクセサリー型などの中で固めることでプラスチック部品などの複製を作ることができる。無くなった部品を作ったりすることもできる。この方法は,なんと接着剤メーカーのホームページでも紹介されていた(知らないと損⁉アロンアルフアの“接着”以外の意外な活用法)。
部品の補修の場合,力が加わる部分での強度は,元のプラスチック製品よりは落ちることが予想される。このため,少し盛り上げた形での補強になるだろう。細い部品を接続したい場合,間に金属棒を埋め込んだ上で接着剤で固定するという方法も紹介されていた。こちらは,細いドリルを使ったりする細かい作業なので時間がかかるが,強度はある程度保証されるだろう。
プラスチック製品の破損は,これまでも瞬間接着剤で直すことはあったが,満足に直せたことがなかった。+重曹のこの方法を一度試してみようと思っている。