2025年の新米の値段が下がらず,市場で売れない状況になっている。それは,概算金を高く設定したために,卸業者が高値で購入したからである。おコメは大量に供給できる態勢になっているのに価格が下がらない。下がらないから消費者は買わない。買わないから卸業者のところに在庫になって残っている。そんな悪循環である。
だからと言って,おコメ券をバラ撒けばおコメを買ってくれるかといえば,そんなことはない。すでに高いコメに嫌気が差して,ウドンやパンにシフトした消費者が,再びおコメに戻ってくる兆しはない。ウドンやパンで工夫しておいしく食べているからである。
一方で,4月から放出された備蓄米が市場に残っており,おコメがほしい人はこちらを購入する。あるいは放出された時点で数ヶ月分を購入したため,新米を買わなくても済んでいる。
つまり,JAないし政府が決めた概算金が高かったために,コメ農家へはお金が入った代わりに,そのツケが卸業者と消費者に移っただけのことになる。
では,概算金を下げ,その分を農家から戻してもらえばいいのだが,残念ながら一度手にした収入を返す農家はいない。
ならば次にすべきは,卸業者に補助金を出して,卸価格を下げさせることである。そうすれば市場価格は下がる。価格が下がれば消費者の購買意欲は湧く。おコメ券では一時しのぎにしかならないし,コメ以外に使えないし,使用期限が限られている,となれば消費者は動かない。現金給付にしても,ポイント給付にしても,それがコメの購入・消費には直接はつながらない。
おコメ券などの配布は,政府補助金が市単位の地方自治体にバラ撒かれ,その使い方は自治体任せである。すでに無駄だとしておコメ券の配布をしないと宣言している市もある。単なるバラ撒きなのである。であれば,その金額をコメの卸業者に補助金を出して卸価格を下げさせればいいのである。もちろん,卸価格を下げない業者には罰則を与える(営業停止,罰金)のは当然のことである。
どの政党からも,この解決法が出てこないことに,癒着,既存権益など何らかの不正が働いているのではないかと考える。つまり,今の日本の政治そのものがおかしいということではないだろうか。
そもそも,世界が4極化しようというのに,日本はどこに付くかというコウモリ状態である。むしろ,日本が5極目として世界をリードする政策を発する立場と段階にあってほしい。金持ちにしか媚びを売っている自動車業界も,大量の無駄消費をさせる飲食業界も,エンタメにばかり加担するメディア業界も,いずれも目の前の利益しか見ていないと思っている。