25年モノの我が家のワンボックスカーが,重要部品交換を終えて帰宅してきた。何しろ出先でエンジンが掛からず,レスキューに緊急措置をして動かし,ただちにディーラー行きとなっていたのである。
さて,その修理中に注文したのが,GPS速度計である。戻ってきてすぐに取り付けてみて,感心したのでここに記録することにした。
すでに速度を音声で読み上げる仕組みは完成しており(ディスプレイオーディオに速度表示した方が良くないですか--対応アプリがほぼゼロ状態 - jeyseni's diary 2025/12/17),普通に使っている。実に快適である。スマホ上にショートカットを作ってあり,オンオフを切り替えるだけで動作する。移動していない状態では読み上げないようにプログラムしてあるので,いちいちオフにしなくても普段は読み上げることはないし,逆に画面オフの状態でもクルマに乗せて走れば読み上げが始まる。実にうまく作ったものだと自画自賛している。
それでも,誤動作で読み上げが始まることもあるので,意図的に音声案内をオフにしていると,クルマに乗ったときにまたオンにしなければならない。ちょっとした操作だが,面倒なことには変わりない。
そこで,ダッシュボード上で速度をリアルタイムで表示するデジタル速度計を検討していた。同乗者に目立つと,ちょっとした速度オーバーが気になると思ったので,たとえば文字の明るさや色などを変えて調整できるモデルがいいと考えていた。
筆者の頭の中が,ほぼ100円ショップ感覚になっているので,この手の機器を検索したとき,「値段が高い」という印象をまず受けた。クルマから速度などの情報を取得できる「ODB2」に接続して正確に速度表示できる速度計はウン万円するし,GPSを使って単独で速度を表示する速度計も,最も安いもので1500円前後,考えていた色や明るさを変えられるモデルだと4000円前後だった。また,数字を直視せずにフロントガラスの裏に表示するHUD(ヘッドアップディスプレイ)方式もいいかなと思ったが,こちらもウン千円クラスで,今回はポチッといくわけにいかなかった。
その中で,いつものAmazonではなく,Yahooオークションを見たところ,たまたまあるモデルに出会った。中古品ではなく新品で,価格が1000円。送料は無料。性能は緑色表示で直視型と,超単機能だった。しかもたまたまクーポンが使えて何と半額の500円で入手できるというものだった。さらにこの手の“パチもん”系はAmazonだと海外からの直輸入というケースがほとんどで,1ヶ月かかることも多くて避けていたのだが,国内からの翌日発送だった。即金落札という形で入手した。ダメ元という気もあった。
届いて驚いたのが,予想外に小型で邪魔にならないことだった。元々,サイトには数字サイズが縦35mmと書いてあったのだが,そこはあまり気にしていなかった。むしろ数字が大きすぎるかなと思ったのだが,適切なサイズで,しかも本体がコンパクトでダッシュボード上のどこに置いても問題なかった。
給電は,Type-Cコネクターで,しかも長さ2mの長いケーブルが付属していた。常々,この手の機器はシガーソケット接続という意識があるので,これも驚いたし,ありがたかった。逆に,ディスプレイオーディオも含めて車内のUSB給電機器が増えてしまった。現在はシガーソケットにUSB切り替えアダプターを差し込んで2分岐出力しているが,さらに多ポート分岐を考えなければならないかもしれないと思った。
速度計は,km表示とマイル表示の切り替えのみ。中国製で,取扱説明書は何と8カ国語で書かれていたが,日本語や中国語,ハングルはなかった。液晶ではなく,数字の8セグメントのLED表示で,原材料価格はかなり安いと思われる。しかし,プラスチック成形品の加工精度はしっかりしていた。
驚きなのは,この価格の製品にGPS受信アンテナが内蔵されていて,しかもほぼ正確に速度表示できていることである。かつて,GPSアンテナをノートPCに外付けしてナビ実験をした30年前は,GPSアンテナ単体で数万円していた。その後のケータイやスマホの急速な普及でGPS機能内蔵は当たり前になり,アンテナ感度も上がり,さらにGPS信号の分析精度も高感度に解放されたことで,数千円クラスの機器にGPS内蔵ができるようになったことは,筆者にとっては驚異的である。
かつて,日本で初めてデジタルスピードメーターを搭載したのは,1981年発売のトヨタ自動車の初代「ソアラ」だった(画像ギャラリー | 怪しいほどカッコ良かった“日本初のメーター” 新技術ぎっしり革命車「ソアラ」なぜ人知れず消えてしまったのか? | 乗りものニュース)。筆者が社会人になって早々に手にしたニュースリリースを見て,すごいと思った。
当時も今も,クルマのメーター類はアナログ方式が主流で,デジタルメーターはアナログメーターと併設かオプションが多い。当時もデモムービーを見て数字がチラチラと変わるのが何となく見づらいように感じていた。ソアラの場合も,数字表示に加えてバー表示でアナログ感を出す工夫もしていたが,こちらも見づらく感じていた。
いよいよクルマを「移動するエンタメ空間」にしようと,大型ディスプレイを搭載する動きが進んでおり,その中では速度表示のデジタル化は進むと思われる。しかし同時に,自動運転や一定速度運転,先行車への追従運転など,自動化が進むにつれて,運転者に対するクルマ本来の情報提供が減っても運転ができるような時代が来つつある。極論すれば,自動運転での速度表示は不要になる。電車に乗っていても誰も速度に関心がないのと同じである。
しかし,筆者としてはクルマは運転者と情報交換しながら運転することが楽しいと思っているので,自動運転には抵抗がある。GPSデジタル速度計の導入は,クルマの情報をより早くキャッチしたいと思って採用した。アナログメーターでの「大体」の速度感覚は必要だが,速度超過をきちんと把握することも大切だと感じたからである。
昔から,本当はオートクルーズ(一定速度に設定して走行できる機能)を搭載したいと思っているのだが,街乗りではあまり効果がない。我が家のワンボックスカーも,機能追加は今回のGPSスピードメーターで打ち止めとなるだろう。いや,筆者の運転人生も,あと数年で終える予定なので,なかなか楽しませてもらったと思う。このGPSスピードメーターはUSB給電なので,自転車に載せ替えても使えそうだ,という辺りが,意外にもワクワクしているところである。