小笠原諸島の南鳥島が話題になっている。
1つはレアアースの採掘である。「南鳥島EEZ海域でのレアアース泥採鉱システム接続試験の実施について」2025/12/23 JAMSTECリリース(https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20251223/)。
もう1つは核ゴミ最終処分場の建設である。南鳥島に核のごみ最終処分場、小笠原村に「文献調査」申し入れ…赤沢経産相「ご協力得られるよう説明」 : 読売新聞 (2026/3/3)。
レアアースは,水深6000mの海底から泥を吸い上げるというもの。石油の掘削リグでも水深3000m。さらに海底に穴を数千m掘って石油を吸い上げる。リグを海上に浮かせた形で連続して泥を吸い上げれば採掘は可能なのだろうが,東京都心から南東約1,950kmに位置し、船で片道4~5日、航空機でも片道4時間という距離にある。どうやって運ぶのか,またリグの建設,吸い上げのプロセスでの海洋汚染が気になる。さらに,泥からのレアアースの抽出のための技術が確立されていない。コストがどれほど掛かるのかもわからない。技術的には可能なのだろうが,採算の面で見合わないと筆者は考えている。また海の上なので,他国からの侵入を簡単に許してしまい,横取りされてしまうのではないだろうか。
核ゴミの最終処分案については,経済産業省からの提案である。地元から調査候補への手を挙げたわけではなく,完全にトップダウンである。南鳥島には一般都民は住んでいない。同じ小笠原諸島の父島や母島からも1200kmも離れており,何が起きても国民・都民の生活への影響はほとんどない。とはいえ,核ゴミを処分するためには島内の陸地に穴を掘ってそこに埋めるということになるだろう。その掘った土はどうするのか。また南の楽園と呼ばれるこの島の自然は守られるのだろうか。さらに言えば,核廃棄物を本土からどうやって安全に運ぶのかという問題がある。
いずれも,こうした懸念のない方法の開発はこれからなのだが,今の日本に実現する技術があるのだろうか,という方が懸念である。