jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「備蓄は半年以上」「他の輸入ルートを確保」というのに,なぜ価格高騰?--原油,ナフサはなぜ上がる

石油はもちろん無尽蔵に掘り出せるわけではない。油田を掘り当てるには莫大な資金が必要だし,運用にも費用が掛かる。元を取るためには,経費に利潤を加えて売る必要がある。世界の石油の産出量を決め,値段を決めるのは,OPEC(石油輸出国機構)である。

 イラン紛争において,イランの産油基地がアメリカやイスラエルによって攻撃され,周辺各国の産油基地がイランによって攻撃され,産油量が減る懸念が起きた。一方,イランはホルムズ海峡の機雷による封鎖を仄めかし,石油を積んだタンカーが航行できなくなった。これにより,世界中の石油の流れが停まる懸念が生じている。

 日本は石油の95%を中東に頼っている。国内で連続して安定的に石油を消費するために,港湾に石油コンビナートが整備され,石油がタンカーからタンクにいったん貯蔵され,そこから日本各地に流通して行く。実に細い流通経路である。

 石油から代替エネルギーへの転換が叫ばれ,原子力発電という新しい電力源が日本に50基も作られたが,自動車,トラック,船舶,そして航空機などの交通機関のほとんどは,石油を燃料にした内燃機関や外燃機関である。

 価格変動が生じるのは,天候任せ,自然任せ,そして政治任せになっているものである。特に,石油,食糧は,いまだに自然任せ,天候任せになっていて,再現のない「経済市場主義」の下に,陸上だけでなく海底にまで穴を掘ったり,森林を伐採して農地を拡大したりする。明らかな自然破壊行為であり,さらにそのもたらす結果は地球温暖化に直結していく。今現在ではなく,将来に禍根を残し続ける行為である。しかも,「売れば儲かる」経済市場主義なので,それに仕事として携わるわずか40年しか責任感を持てない人類が,自分たち,あるいは個人の利益と富を求めて貪欲に活動を繰り返す。誰も振り返ってみたり,立ち止まってみたりする人がいない。

 内燃機関,外燃機関へのエネルギーとして,石油やLNGを使わないようにするには,廃油や植物由来の「SAF」,CO2と水素から作る「合成燃料」,そして水素自身を使う仕組みに大胆に切り替える必要がある。

 多くのプラスチックがナフサを原料としていることから,バイオプラスチックへの切り替えも急務である。ただし,現在その原料となっているトウモロコシなどは,食糧としての需要もあるとともに,広大な土地を使用してしまう。森林開拓などとのバランスが必要になる。

 食糧も,狩猟・栽培から製造に切り替えていく段階に来ていると思う。農業は,露地栽培から農業工場生産への切り替えが必要だし,漁業も漁から養殖を経てさらに陸上養殖へと切り替える段階に来ている。コントロールされた空間での生産によって,安定した出荷を確保する,という考え方が必要ではないだろうか。

 それにしても,「アメリカ・ファースト」を標榜していたトランプ大統領が,イランへの攻撃をしなければならなかった背景にあるイスラエルとの関係が気になる。基本的に,ウクライナ紛争には手出ししていないし,ベネズエラの政権交代は麻薬のアメリカへの輸出の根を断つという大義名分はあると思うのだが,世界の石油の流れを乱す可能性の高かった今回のイラン紛争への加担は,「アメリカ・ファースト」にはならないはずである。事実,思い通りにならない現在,軍隊を引き揚げるとまで表明している。

 国際紛争は,人類にとっても地球にとっても何の解決にもならない。それぞれの国が「自国ファースト」を実現するための知恵と技術を振り絞る努力をすべき段階ではないのだろうか。インターネット時代だからこそ,自国のアイデンティティーを持たなければ,モノもヒトもゴチャマゼになってしまい,「ここはどこの国?」となってしまう。今の観光政策を推し進める日本のように。