安く!おいしく! 身近な食卓にフードテックが「首都圏情報 ネタドリ!」 | NHK首都圏 (2026/6/3)という番組を視た。フードテックという言葉の意味する範囲がかなり広く捉えているように思えた。
例えば、ロボットによる調理や配膳が紹介されていたが、これは「IT技術の食品加工・サービスへの応用」「人手作業の省力化」に過ぎないように見えた。
一方、「食品素材そのものを技術で作る」ことが、本来の革新的なフードテックと思えた。その中で、いつもなら登場すると思われる「培養肉」が出てこない代わりに、オカラとコンニャクを組み合わせて弾力のあるチクワのような素材を開発し,これをさらに改良して豚肉のような歯ざわりまで実現した製品が紹介されていた。
培養肉は,バイオテクノロジーで食肉の細胞を細胞分裂の繰り返しで培養するもので,素材そのものは肉だが,何しろ時間が掛かることもあって価格が実際の肉の数百倍もするのが現実である。一方,オカラコンニャクは,大豆のタンパク質と脂質,コンニャクの弾力を組み合わせて,適切な栄養価のある食材として開発された。かつて開発された大豆ミートよりもさらに進化させた形になる。すでに,コンビニエンスストアの新しいメニューとしても使われているというから驚きである。
さらに,筆者が推している植物工場と陸上養殖についても,知らない間に事業化がかなり進んでいた。特にサケの陸上養殖がかなりの規模で事業化されているのを初めて知った。これまでの陸上養殖は,付加価値の高いトラフグやアワビといった食材でしか採算が合わないとされていたが,逆に,冷やした水を循環させることで水を冷やす電力を抑えるなどの工夫がされていた。
こういう食糧の自給は食糧安全保障上,非常に重要でる。ただ,問題点として,飼料や原材料となる大豆やトウモロコシなどの多くを輸入に頼っているため,海外の天候や運送費となる石油の価格の影響を受けやすいという問題点もある。
単なるロボット応用による人件費の削減だけでなく,一次産業としての農業や水産業のハイテク化が,フードテックの真髄だと思う。
主食であるコメやコムギの植物工場化はまだ難しいかもしれないが,ある程度の規模の生産工場ができることが望ましいと考える。