2026年8月27日(木)未明,富山県や石川県で秋雨前線をベースとする線状降水帯で記録的大雨となり,市内での冠水,浸水被害が出ている。2週間前の8月13日には,千葉県で台風通過後に南から流れ込んだ大量の水蒸気が関東の山沿いに溜まった冷気によって雨雲が停滞し,ここでも市内での冠水,浸水被害が出たばかりである。
これまで起きた大きな浸水被害は,大雨で河川が増水し,堤防が決壊して浸水するというパターンが多かった。堤防の整備は高度経済成長期に大幅に進められたが,その堤防が50年を経て劣化し,増水した水の力に耐えきれなくなって崩壊したことによる。したがって,補強工事を至急で進める必要がある,と書いた(水の災害は今後も増えるのか--インフラの老朽化に対応し,二重護岸などを提案 - jeyseni's diary 2023/9/19)。しかし,千葉や富山の水害は,1箇所に集中して降った大雨によるもので,河川の堤防の決壊によるケースはなかった。
大雨による浸水,冠水被害は,日本中どこでも起きる可能性があるが,今回の災害では,これまでの「地下施設」「アンダーパス」に加えて「低地」での被害が出ている。
筆者の自宅周辺でこれまで経験した冠水箇所は2箇所ある。自宅前のバイパスが小川に向かって下っていった橋の周辺で,小川に流れ込み切れずに溜まった場所では,おそらく15cmぐらいの水が車道に溜まっていた。クルマで通過すると水しぶきが上がるが,フロントバンパーで水を切るほどではなかった。この交差点は小川を挟んで下りから上りになることは分かっていたので,うまく通過できれば安全だと判定していた。しかし,交差点通過時にタイヤが何かに乗り上げた。あとから考えると,そこにあったマンホールの蓋が下からの水圧で持ち上がっていたことが分かった。もし蓋が外れていたら,脱輪するなどの被害があったかもしれない。しかし,走っているときには路面の状況はまったく分からなかった。
もう1箇所は,小学校のグラウンド側の道路である。ここは,小学校が最も低い位置にあり,数百mにわたって「低地」が続いている。筆者はその手前で停まって考え,通行しないという判断をした。たまたま脇道で小学校の校舎側に坂を上がる抜け道があったので助かった。もちろんおそらくこの冠水程度であれば通行はできたと思うのだが,今回の富山県の冠水の映像を見て,冠水している道には入らないことが原則だと改めて感じた。さらに近所にはアンダーパスが3箇所あるが,それらはメインストリートで普段から渋滞しやすい箇所なので,基本的に抜け道を通ることにしているが,冠水時の水深の線が壁に描かれているので,通るたびに恐怖を感じている。さらに深いアンダーパスでは,完全に車体が沈んでしまうような深さなので,基本的には降雨時には通らないようにしている。
といった近所で冠水の可能性のある場所はある程度把握しているが,たとえば駅前ロータリーも少し低くなっていて水は溜まりやすくなっている。大雨で駅まで家族を迎えに行くといったときが多いのに,ロータリーの冠水は5cmほどはあり,乗り降りだけでも靴に水が入るほどになる。こういう状態でクルマを使うかどうかという選択は,難しい。
一般の街でも,まったく水平な場所などなく,ほとんどはいわば「低地」である。ハザードマップではそこまでの高低差は確認できない。どうすればいいのだろうか。
一方で,「山沿い」の地域は言わば「高地」だが,こちらは大雨で土砂崩れが起きやすい。レベル5で避難できない状況では,斜面側から遠い2階以上で過ごすことが勧められている。鉄筋コンクリート製のアパートやマンション,高層マンションなどでは,水害そのものには強いものの,多くの場合,電気設備が地下にあることから水没で停電することで水道やエレベーターが使えなくなり不便が続くことがある。
さて,陸側からは雨や地震,噴火,海側からは津波と,さまざまな自然災害のレベルが大きくなっている。さらに,温暖化による乾燥で一気に広がる山火事もある。自然の中であろうと,便利な街中であろうと,何だか日本人は自然災害から逃げ惑っているように思える。いったいどこに住めば安全と言えるのだろうか。