2026年7月13日現在,国会で議論されている法律は,13本あるという。会期は17日である。
チェックしてみると,政府提出の①防災庁設置関連法案,②皇室典範改正案,③刑事訴訟法改正案,④予防接種法改正案,⑤電気事業法の一部を改正する法律案,⑥下水道法等の一部を改正する法律案,⑦科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律の一部を改正する法律案,⑧重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案,⑨種苗法の一部を改正する法律案,⑩金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案,⑪ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案(第221回国会での内閣提出法律案 | 内閣法制局 を参照)の11本と,議員立法の①選挙SNS対策法改正案,②国民投票法改正案,③日本国旗損壊罪法案,④「副首都」構想関連法案の4本で,合計15本あるようだ(Webサイトの更新のタイミングによると思われる)。
いずれも,たしかに大きな問題だし,提出された64本の法律を順次成立させてきた国会の機能にも驚きである。残った法案は,たしかにいろいろな見方ができ,簡単には成立しそうにないようにも思える。特に,上記で太字にした8法案が,混迷していると報じられている。いずれも拙速に決められる問題ではないと思うからだが,市民生活からはあまりにも縁遠い内容に見える。
それよりも,2026年4月に発効した道路交通法改正案で,「自転車は元々車両なのだから,違反には罰則を課す/自転車は元々車両なのだから,歩道走行は禁止し車道を走ることを原則とする」という法律は,法律を運用する警察に有利なように決定されたように見える。日本中の自転車利用者が,子供を載せていようが,幼児車であろうが,みんな車道に溢れてきているのである。自転車の暴走から歩行者の安全を守るという意味はあるものの,自転車運転者とクルマとの接触の危険性は増加し,さらにクルマは自転車を1m以上避けて通過しなければならず,中央線に接近せざるをえず,対向車との衝突の危険性を増加させる結果となっている。
筆者は,電動キックボードが容認されたことについても否定的な意見を持っている。ヘルメットの着用義務もなく,免許も不要な電動キックボードが,車道を走ることによるクルマとの接触事故,さらに接触を避けようとするクルマ同士の衝突の危険性を指摘してきた。
そのため,現状では最も安全な乗り物は,電動キックボードの時速6km特例モードでの歩道走行であると言わざるを得ない。通常モードでの車道走行は危険だし,同様に自転車の車道走行も危険である。
クルマの運転者は,これまではバイクとの接触を注意すれば良かった。車道を走るのはクルマとバイクしかなかったからである。それでも,クルマの左折時のバイク巻き込み事故は減らなかった。そこに,自転車や電動キックボードが加わって,クルマの周りをフラフラと走られるのである。これで事故が増えない方がおかしい。しかも,事故が起きたら,クルマの方が100%悪いとされるに決まっている。自転車や電動キックボードが接触・転倒した場合,現状ではヘルメット着用率がおそらく1割にも満たない状態で,大ケガから死亡のリスクは圧倒的に高い。
さらに問題なのは,「車両」と称するのに自転車にバックミラーの取り付けがないことである。これは「整備不良車」ではないだろうか。後方から接近するクルマを認識せずに進路変更するケースが多く,クルマの運転者は気が気ではない。
現状,ほとんどの道路は,片側1車線で中央線が黄色の追い越し禁止になっている。路肩は段差があるため,自転車は道路脇を走らない。自転車から1mの距離を明けて,さらに中央線をはみ出さないように走行できるクルマは存在しない。しかし,中央線を越えて追い抜くと,クルマの走行違反となると言われると,自転車のスピードでその後ろをクルマがついて走らなければならない,というのが規則どおりの解釈になる。そうなれば,交通渋滞が生じるのだが,「それが安全走行なのだ」という解釈になるらしい。
車道を走るなら,少なくともクルマかオートバイの免許証を所持し,交通ルール試験で90点を取り,実車訓練と実地試験に合格しなければならない,とすべきではないか。それなら,自転車走行であっても取り締まって罰則に加えれればいい。点数,および罰金の対象である。しかし,免許証を持たずに自転車で車道走行して違反した場合,基本的には罰金だけになる。交通ルールの講習を受ける必要もない。違反を繰り返すだけになる。
クルマやバイクの免許証を持たない場合は,歩道を時速6km程度で走行するようにすればいい。免許証のある運転者が乗る自転車には「車道走行許可シール」の装着と,バックミラーの設置を義務づければいい。
国民全員に関わってくる法律として,消費税見直し法案もおかしな状況にある。食料品を0%にするだの1%改修の方が半年早く処理できるだの,結局は機器業界や経済団体に忖度しただけで,国民の不利益は続いている。別にレジのスピードが2倍になっても,手計算でも処理させた方がいいのではないか。
1法案に掛ける時間をきちんと制限すること,議論のボイコットを規制すること,などとともに,すでに施行された法律の現状分析をきっちりすることも立法府である国会の義務ではないだろうか。