jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

トイレットペーパーの使用長さの件

トイレットペーパーという便利なものができたのはいつの頃だろうか。筆者の子供の頃は、水洗便所はなく、汲み取り式便所、いわゆるポットン便所で、四角いチリ紙が床の箱に入れられていた。今でいうとティッシュペーパーを開いたぐらいの大きさのチリ紙2~3枚をつまみ、これを半分に折って使用したと思う。ティッシュペーパーよりもガサガサした印象だった。子供の頃はこれを2回ぐらいで拭き取れていたと思う。何しろ、下をのぞき込むと今落とした拭き紙が見える。むやみに何枚も使わないような気持ちになった。

 今は、水洗便所である。水に溶けるトイレットペーパーが使われる。ロールペーパーは長さが50mぐらいはある。薄手の紙を使って100m以上として,交換の回数を減らそうとする商品も出てきた。それでも,使おうと思えばいくらでも無制限に使える。

 さて,トイレットペーパーの使用量については,これまでも調査が行われてきているようだ。「トイレットペーパー使い過ぎ」沖縄と「ウ○チへっちゃら」大分の驚愕事情 - コラム - Jタウンネット 東京都。 チリ紙の例からすれば,ペーパーを4重ぐらいにすれば1度拭けるとすると,40cmぐらいあれば1度は拭ける。これを5度繰り返しても,2mもあれば1回の使用量になるだろう。

 中国では,トイレの前で顔認証でロールペーパーを裁断して配布するシステムがある。1回で60~70cmが配布されるという。さすがに少し少ない気もする。

 しかし,日本のように無制限で使うと,排水の詰まりも心配になる。特に昨今は小水量で流すエコトイレが多くなり,洗浄水の量も少なくなっている。大量に紙を流すことで,排水管詰まりの可能性も出てくる。

 上記の記事によると,1度拭くのに2.43mを引き出し,これを何度も繰り返していたという。しかし,筆者の個人的な経験では,これはそれほど珍しい例ではない。トイレットペーパーを引き出す音が10秒ぐらい続いているのを頻繁に聞くことがある。1秒に50cm引き出したとして,5mも引き出しているのではないかと思われる。これが3度ぐらい繰り返される。尋常ではないと感じる。通常の排便ではなく,病的な可能性もあるので,批判はしないが,もう少し静かに引き出せないかと思ったりする。

 公衆トイレのロールペーパーがロールごと外されることも少なくないという。筆者も海外旅行で有料トイレを使ったときは緊張した。現在,日本でも有料トイレはあるが,管理は難しいみたいである。トイレットペーパーの使用量もさることながら,ティッシュペーパーを流したり,ナプキンを流したりすることでもトイレの詰まりは起こる。自宅のトイレを一度でも詰まらせた経験があれば,少しは意識するのではないかと思うが,「なんでも水に流せる」と思ってしまう人もまだまだ多いように思える。再生紙が使われるケースも増えているが,元は樹木から取ったパルプである。流して溶けたとしても,水に帰るわけではない。

 水洗便所には,ほかにも洗浄剤や強い酸性,アルカリ性の洗剤が流される。台所のシンクでも,こびりつきを落とすのに強い洗剤が使われる。昨今の洗濯用洗剤も,洗浄力が強力になり,さらに柔軟剤や抗菌剤がふんだんに使われ,流されている。その昔,家庭用排水による環境汚染の中心がリン入りの中性洗剤で,これを解消するのに石鹸や石鹸洗剤が推奨された時期があった。今は,廃水の浄化設備の性能が上がったのかもしれないが,今まで以上に複雑な成分の排水が家庭からも流されているような気がする。浄化設備は大丈夫なのか,心配になる。少しでも処理の負担を減らすために,トイレットペーパーの使用量に節度ある判断をした方がいいと思っている。

 今日3/11は,東日本大震災からちょうど10年。いろいろな振り返り番組が報道されている。災害時の通信,コミュニケーション,弱者サポートなど,まだまだ問題は多い。トイレ問題,電気問題も重要である。「ムダ」を振り返る機会でもあり,SDGsにどう取り組むかを考える機会にもしたい。