jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

画像ソフトの「背景伸ばし」機能は,周辺処理なので許容範囲--スマホアプリ,オンラインサイトも登場

写真加工ソフトに“行き過ぎ”感--これはもう写「真」ではない - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2023/3/30)と書いて1年が経った。本家のAdobe社のPhotoshopまでもが,不要箇所の消去,一発切り抜きなどを追加した後,一気に他ソフトを突き放したのが,「背景伸ばし」という機能だった。

 カメラのレンズの画角が足りなくて,枠ギリギリになってしまったり,全員を無理やり入れようとしてカメラを傾けて撮影する,といったシーンもないわけではない。とりあえず記念に写真を撮っておこう,という場合に,そういうギリギリの写真が撮れてしまうことがある。

 中心部を変化させずに,背景を少し伸ばすのだが,風景だったり,室内の小物だったりするので,筆者としては許容範囲かなと考える。青空を伸ばし,森の緑を伸ばし,足元の石ころを伸ばす。この程度は許されると思われるのである。

 さて,筆者の個人持ちのPhotoshopは,ずいぶん古いバージョンで止まっている。そもそも,写真データを加工することは邪道だと今でも思っており,正直言ってPhotoshopはかつての「Adobe Creative Suite」というソフトのセットの中の1ソフトに過ぎないというのが筆者の認識で,IllustratorInDesignAcrobatでのクリエイティブな作業用に主に導入したものである。Photoshopは,写真データの確認用ぐらいで,色調整やゴミ取りもほとんど使ったことがない。まして,切り抜いて別の背景と組み合わせたり,フォトコラージュをするなど,とんでもないことだと思っている。今でもその考え方に基本的な変化はない。

 当然のことに,このバージョンには生成AIもなければ,一発切り抜きすらない。どうしても中心の画像を切り抜きたい場合は,その輪郭をベジェ曲線でなぞって切り抜くという作業をしていた。当時のパソコンのメモリー容量が少なく,切り抜くためのポイント数ができるだけ少ないことが求められたからである。

 Photoshopの進化で,とうとうお化けのようなソフトになりつつある。「写真」ではない世界が訪れてしまったが,「背景伸ばし」機能だけは魅力を感じる。背景が単色なら簡単だが,単色のグラデーションだったとしても,この背景を広げることは容易ではない。まして,風景の中での記念撮影など,周囲の情報がすでに切り取られてしまっている状態で,背景を広げるなど不可能なことだったからである。しかし最新のPhotoshopの「背景伸ばし」機能は,実に見事に背景を自動作成してしまう。本来はすでに「正しい写真」ではなくなっているのだが,中心の被写体をいじっているわけではないので,許容範囲だろうと考えているのである。

 しかし,素人にとって年に数枚,背景伸ばししたいな,と思う写真のためにサブスクリプションの契約をするわけにはいかない。あまりにもコストパフォーマンスが悪すぎる。スマホアプリはいくつか登場しているが,いちいちスマホに画像を送って処理するのも面倒と思っている。

 その中で,パソコンからオンライン上でこの手のAI処理をしてくれるサイトが出てきている。背景切り抜きやボケ軽減,ノイズ軽減などの機能は先行していたが,背景伸ばしができるサイトはなかなか現れなかった。

 その中で,背景伸ばしのできるサイトがいくつか登場している。Uncrop,Canva,YouCam Enhance,CapCut,Meituなどが紹介されている。

 とりあえず,手元にある写真をお試しで背景伸ばしさせてもらったが,部屋の中の背景がいい感じで構築されていた。一方,イラストの場合は,勝手に背景にも線を拡張してしまって不自然な感じに仕上がっていた。

 どのような処理が行われているのか,まったく想像がつかない。似たような画像をどこかから持ってきてはめ込んでいるようにも見えない。実に不思議な感覚に襲われる。

 まさに年に1枚か2枚だけの処理なので,これらのオンラインサイトに助けてもらおうと思っているところである。なんだか,自分の感覚がおかしくなりつつあるような気もするが,背に腹は変えられないというところだろうか。