スクエア・バイオレンスとは、またまた造語である。スクエア、つまり四角形で、角があることを代表している。
何の角かというと、まずカバンの角である。
次に来るのが、スマホの角である。
そして最大にして許しがたいのが、ヒジの角、つまりエルボーヒットである。
カバンやスマホがツンツン当たることについては、最近マナーポスターでも見られる。例の距離感覚の欠如の代表である。
しかし、エルボーヒットについてはまったく語られない。フシギなことである。
最も危険なエルボーヒットは、リュックを背負い直すときに生まれる。まずは周りを見ずにいきなり振り回すようにリュックを片方の肩に掛ける。このとき、最初の固いヒットがある。
これに引き続いて、もう一つの肩ひもを掛けるために、ヒジからヒモをくぐらせて、このヒジを上や外側に突き出して背負うのである。リュックを背負う動作は遠心力が効いて非常に危険だが、これに続くエルボーヒットはスピードか速く、これが危険性を倍増する。
動的なエルボーヒットだけでなく、静的なエルボーヒットもある。
主に、スマホを操作するのにヒジは直角になる。これがちょうど前や横に人の脇腹に押し付けられる。脇腹は肋骨がなく、ヒットに弱い。
しかし、ここでもまったく感覚がない。身体をよじっても、気がつかない。あと駅いくつ、とおもいながら耐える満員電車である。