jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

時代は「ピンポイントからブルート・フォース(総当たり)へ」--核兵器が無力化される日

AIは「総当たり」✕「重み付け」を高速に実行しているだけで,決して創造的ではないと書いた(「総当たり」✕「勝手に重み付け」を超高速でするだけのAIなど信じてはダメ--人の思いを入れることが大切 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2024/1/11)。これを書こうと思ったのは,1/10に紹介したドイツ製のSkynexというドローン群の撃墜用連射銃(ドローンによる自爆攻撃と群れ攻撃,対抗する迎撃ミサイルと連射銃--際限のない武装のグレードアップ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2024/1/10)も,ドローンの群れ攻撃も,いわば総当たり方式だと感じたからである。

 かつては,ベトナム戦争での米軍による絨毯爆撃が広範囲を連続して攻撃する方法だったが,それは単に爆弾をバラまいただけだった。これに対して,ドローンの群れ攻撃も連射銃も,基本的には1つひとつが狙いを定めており,これらを同時に,あるいは短時間に集中的に動作させることで,正確に面状の攻撃ができる。マシンガンが単に短時間に多くの弾を発射するのに対して,Skynexはドローン1機ずつを狙って撃つ点が,まったく異なった考え方の武器である。コンピュータ制御されたマシンガンであるとも言える。そのコンピュータも,単なるプログラムではなく,視覚でドローンを捉え,その次の位置を予測計算し,正確に弾を発射するという意味では,AI的と言える。

 現在主流のミサイルによる攻撃は,より正確にピンポイントを狙うのに対し,総当たり方式の武器は短時間に広い範囲の的を狙うことに主眼が置かれている。同様に,核兵器というピンポイント型の攻撃手段も,いずれは総当たり式の対抗手段によって途中で無力化されてしまい,使い物にならなくなるのではないだろうか。何しろ,迎撃ミサイル攻撃では,1回外したらもう打つ手がないのに対し,総当たり式では何度も繰り返し迎撃できるからである。いわゆるレーザー兵器が,迎撃用として使える日も来るのではないだろうか。

 さらに,地球を取り巻くように数千個の人工衛星を打ち上げたStarLink妄想:Starlink通信衛星群が偵察衛星だった場合--地球のリアルタイムモニターが可能なのだが - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/11/25)も,いわば総当たり式である。どの衛星が信号を受けても構わないからである。

 時代は,「ピンポイントからブルート・フォース(総当たり)へ」と変化している。分散型コンピュータも同時並行に処理を進める上で極めて有効な手段だった。

 逆に,総当たりはコントロールできるが,コントロールできないケミカル(化学)兵器や細菌兵器は,無差別兵器であり,人道上許されるべきではない。そこを取り違えてはならない。