ついに北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げが成功したようである(2023/11/21夜発射)。2回の打ち上げ失敗の後なので,おそらくダミーに近い衛星を搭載していたものと思われる。大々的に監視映像を公開しないのは,カメラ性能が低いか,あるいはただのモックアップだったのかもしれない。なにしろ,本格的な軍事偵察衛星を作ろうと思ったら,それこそロケットと同じぐらいの費用がかかるからである。ロシアの支援も取り付け,次の打ち上げで本物を打ち上げる構想だと思われる。
筆者も,偵察衛星が1個欲しい,とかねがね思っている。いつも思うのだが,交通渋滞して停まっている位置から,渋滞の先頭の様子を知りたいのだが,これを知る手段がない。現在乗っている日産セレナは,着座位置が高いのである程度先は見えるが,渋滞の先頭までは見えない。道路状況を伝えるライブカメラも,公開されているのは1本の高速道路で10個所ぐらいではないだろうか。細かい情報を見ることはできない。
現在では,あおり運転抑止のためにドライブレコーダーを搭載するクルマが増えている。1つのアイディアは,このドライブレコーダーの映像をすべてクラウドに提供するプラットフォームができれば,前方のクルマの映像に順番にシフトしていけば,まるでどんどん自分が前に進んでいるように見え,渋滞の先頭が見えるはずだ。感覚的には,google mapのストリートビューを早送りしたような映像を取得できると思える。
もう1つのアイディアとして妄想したのは,ドローンを飛ばして前方の様子をチェックすることなのだが,さすがに運転中にドローンを操縦することは難しいし,途中のトンネルや街灯などをどうやって避けるかなどの物理的な困難が伴う。飛行時間も限定されているので,あまり遠くに飛ばすわけにも行かない。
google mapもImmersive Viewといった3D空間を提供できるまでになっているが,あくまで固定的なマップの延長であり,リアルタイムの映像ではない。今を切り取るためには,今撮影している多くのカメラの映像をリアルタイムで合成する必要がある。ドライブレコーダー群のコラボレーションは,1つのアイディアだが,ドラレコが通信機能を搭載し,提供画像へのプライバシー処理を施すことができれば,可能性はある。
すでにチャレンジしたのは,宇宙からのリアルタイム映像を見ることである。ISS(国際宇宙ステーション)のライブカメラに癒やしを求めた件--「地球の7割は海」を改めて認識 - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2022/5/28)で実験してみた。おそらく,搭載しているカメラの中には,超高性能なものもあると思われるが,民間に公開しているのは低解像度のものであろう。いくら目をこらしても拡大しても,地上の建物すら認識できない(現在は,<WWW.ISS-LIVE.COM> で配信中)。ひょっとして,飛んでいる飛行機や,北朝鮮のミサイルを捉えることができないか,と思っているのだが,無理そうである。学術目的では,いくつかの衛星画像提供サイトから高解像度の画像を入手できるようだが,これもリアルタイムではない。
そこで妄想なのだが,Starlink通信衛星群が仮にカメラを搭載して地上を見ていたらどうなるだろうかと考えた。資料によると,Starlink衛星は,まず高度550kmに約1,600基が打ち上げられ、引き続いて高度1,150kmに約2,800基、さらに高度340kmに約7,500基が打ち上げられるという。ISSの高度が約400kmなので,これよりも低い高度に大量の衛星が並ぶことになる。
多点カメラ映像を同時収集すれば,視点を変えた3D映像を合成する技術はすでに出来上がっている。野球場やテニスコートなどの周囲に数十台のカメラを設置して,好きな角度から視聴できるサービスもすでに始まっている。
同様に,Starlink衛星からの画像を使えば瞬時にしてリアルタイムで地球を巡る映像を取得できる。衛星画像を順次切り替えれば,静止衛星と同じように1個所を連続して映し出すことができる。
情報公開はしていないが,StarlinkはSpaceX社,つまりイーロン・マスク氏の会社が勝手に運用している衛星群である。かつてgoogleがgoogle mapにストリートビューを加えてプライバシー問題を起こしたのと同様,Starlinkが単に通信衛星サービスだけを提供するために打ち上げただけではないと筆者は見ている。すべての衛星にカメラが搭載されているわけではないにしても,1/10の衛星に高解像度カメラが搭載されていれば,画像を取得するという目的は達することができる。
北朝鮮が2023年4月13日発射したICBM級の弾道ミサイルは,最高高度が5700kmにも達したという。つまり,ISSやStarlinkよりもはるかに上空まで打ち上げられたことになる。ならば,発射前後からその軌道なども捉えることができるのではないかと思うのである。
ほかにも,気象衛星の機能を持たせることもできる。デジタルカメラであれば,可視光以外の赤外領域もデータも取得できるので,あとはコンピュータの解析力があれば相当の分析はできると考えられる。
おそらく,イーロン・マスク氏はそこまで読んでビジネスの種になる機能をStarlink衛星群に搭載しており,裏ですでに秘密裏にビジネスを展開していると考えられる。しかも取引先は西側だけではないとも考えられる。同氏が世界征服を企んでいると考えれば,情報の売り先が西側の不利な組織である可能性も否定できない。
過去,現在,そして将来も,裏社会は存在するし,実際に裏社会ビジネスが世界経済を支えている面も否定できない。メタバースも,一般常識が通用しない自由通貨と無法地帯である。もし日本が島国でなかったら,すでに支配されて全員が難民になっているかもしれない。それほど,バカ正直な国民性なのだと思うようになってきた。
連日のようにStarlink衛星が追加で打ち上げられている。筆者には狂気の沙汰に思える。いわば,海に機雷を配置し,陸に地雷を配置し,相手が身動きできない状態にしてから,作戦決行を狙っているようにも見える。何を企んでいるのだろうか。筆者のような常識的な運用法に徹してくれることを願うばかりだが,金儲け以外にこれほどの投資をする理由はないので,やはり変な世の中になってしまうような気がする。コストコでStarlinkアンテナを買って,接続実験をして喜んでいる日本のメディアがあまりにも情けなく見えてくる。早く,日本オリジナルのエネルギー・食糧戦略を進めないと,本当に日本の存在意義がなくなってしまう。