jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ドローンがミサイルに,デジカメが盗撮カメラに--人間の悪知恵に呆れる

東日本大震災で水素爆発を起こした東京電力福島第一原子力発電所の爆発後の様子を,空中から撮影したのは,日本の民間会社の飛行機型ドローンだった(事故直後の福島第一原発 上空からの写真700枚余 新たに公開 | 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース | NHK 40年後の未来へ 福島第一原発の今 2020/12/23 NHK)。有人のヘリコプターでは放射線被曝の危険がある。このとき,偵察用としてのドローンの威力を感じたものである。

 アメリカは,軍事用に大型の偵察用ドローンを中東上空に飛ばし,常時監視を行っている。ドローンはそのような使い方をするのがベストだと思う。

 手軽に安定した空撮ができるドローンは,テレビの映像作りにとっても画期的だった。ヘリコプターをチャーターした撮影では,膨大な経費がかかるが,ドローンでの空中撮影はほとんど費用がかからない。もっとも,ドローンによる空撮で,どの映像も同じような動きの映像に見えてしまうのが玉に瑕である。

 しかし,このドローンを低コストの破壊兵器に使ったのが,ロシアのウクライナ侵攻時のウクライナ側の作戦の1つになった。破壊力の大きなミサイルに比べれば破壊力は小さいが,コストもべらぼうに安い。なかには段ボールで作ったドローンに爆弾を搭載して敵側に体当たりするという神風特攻隊ばりのドローンまで登場した。

 多数のドローンによる上陸作戦が噂されているのが,中国による台湾侵攻計画である。中国はすでにこのドローン部隊を構築していると言われており,この多数のドローンによる攻撃を日本が受ける可能性も否定できない。こちらは,物陰に隠れようが,地下に逃げ込もうが,小型ドローンに追跡されて攻撃を受けるという可能性がある。

 一方,デジタルカメラが当たり前になった世の中で,スマホや小型カメラを使った盗撮事件が日本では多発している。しかも,犯人が学校の先生だったり,自衛隊や消防職員,そして警察官だったりする。どうしてこのような犯罪に走るのか,どうしても理解できない。

 しかも,普通の会社員よりも公務員の犯罪が多いのはなぜだろう。特に学校の教員は,子どもたちを守る立場にあるはずなのに,その子どもを食い物にする理由が分からない。やはり,「先生,先生」と言われると,教員も政治家も医者も,みんなのぼせ上がって理性をなくしてしまうのだろうか。

 盗撮ほど,割の合わない犯罪はないと思うのだが,性欲を満たすためというより,むしろ次の段階,つまり盗撮した写真をネタに脅しをかけ,金銭や身体を要求するという卑劣な犯罪を目的としているとすれば,それはもう許しがたい行為である。

 写真については,昔から意図的なフェイク画像を作る人がいた。ところが現在では,AIを使って思い通りに作画してしまい,合成と分からないほどの仕上げをしてしまう。しかもそのソフトは,世界一の画像編集ソフト開発会社であるAdobe社が先行して機能を搭載した。正直がっかりした。

 盗撮に使われる小型カメラの多くは,まさに盗撮や監視用に闇で製造されたものがほとんどである。まともなカメラ会社のデジカメを盗撮用に使う人はまずいない。しかし,有名になったGoProのような小型のアクションカメラは,もともとは闇市場の製品であり,同じような製品は中国企業が次々と市場投入している。これを盗撮に使う可能性はある。

 なんでも目的外の利用を人間は思いつくものである。悪人ほど悪知恵が働くものなのだろうか。ドローンに兵器を持たせたり,ドローン自身を武器にしてしまう。フィルムカメラなら写真店で現像を行うときに第3者の目に触れるため,撮影する対象に対して公序良徳に反する写真を撮ることに対して抑止力が働く。しかし,デジタルカメラは 撮影した瞬間に画像は生成され,配布可能になる。第3者が入り込む余地はなく,公序良徳に反する写真が世の中に配布される可能性は高い。

 ドローンが攻撃に使われたり,デジカメが盗撮に使われたりするなど,これらの製品んを開発した技術者は思いもよらなかったろう。しかし,技術が悪い方向に使われることは,ノーベルの発明したダイナマイトがやがて平気に使われたり,エネルギー革命をもたらすはずの原子力が,原子爆弾を産んでしまったことなど枚挙にいとまない。

 人類,ヒト以外の生き物,そして地球環境のすべてが,共存共栄していくというイメージを描けば,姑息な犯罪で他人の財産や生命を脅かしたり,戦いで相手の命を奪ったり,大儲けして一人勝ちしようなどということは起きないはずなのだが,宝くじをはじめとする公営ギャンブルからマネーゲーム,そして無人機を操作して実際の攻撃を行うドローン攻撃など,卑劣な行為が許されるはずがないと思うのだが,これが人類の業(ごう)なのかもしれず,やはりその先には破滅しか見えてこない。

 これまで,ドローンの災害救助での利用や,アクションカメラの粋な使い方などを提案してきた。なんでもプラス志向で物事は考えるべきだと思う。カネ儲けやお山の大将への道は,自分にとってはプラス志向であっても,世の中全体から見ると多くの犠牲の上に成り立つ論理,つまりいわゆるゼロサム社会である。全体のパイを大きくしない限り,搾取する側と搾取される側の格差は広がり,やがてその社会は破綻する。

 次の世代を育てる教員,今の世代を守る公務員や医者が,せっかくの技術を悪用する側に入るのは,技術関係者として非常に残念でならない。技術を悪用させてはならない。カネ儲けの手段にさせてはならない。この筆者にとっての当たり前を,どうすれば守れるのか,今は答えが出せない。微力ながらブログ発信をしながら,考えていきたいと思う。