jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ZoomよりもAcrobat Reader。ハンコの書類回覧をメール添付で実現

テレワークの落とし穴を一つ見つけた。それは,話題のZoomなどの「テレビ会議」が“すべて”みたいな言い方がされていることだ。

 テレワークで必要なのは,オフィスと同じ仕事が自宅でできるかどうかである。会議や打ち合わせは,上層部にとってはメインの仕事かもしれない。しかし,一般社員にとっては仕事のごく一部に過ぎない。むしろパソコンに向かって一人で黙々とする仕事の方がメインである。

 ここで必要なのはテレビ会議ではなく,「リモートデスクトップ」である。データを社外に持ち出さずに業務をおこなうには,外部からオフィスの自分のパソコンの画面を取得し,オフィスのパソコンが操作できればいい。オフィスのパソコンを操作するわけだから,ファイルサーバーにアクセスもできる。普段使っている特殊な業務用のソフトも,そのまま操作できる。

 一般にリモートデスクトップは,オフィスのパソコンと自宅のパソコンの間でファイルをコピーしたり,同期を取ることもできる。これは便利な機能だが,ファイルを外部に簡単に持ち出せることになり,コンプライアンスの問題が生じる。ファイルコピー機能は付属しないことが望ましい。この意味では「シンクライアント」は望ましいが,ハードウエアが限られるため,業務上の問題も出てくる。

 リモートデスクトップでは,ファイルの作成や修正,オフィスのプリンターの利用などが実現できる。オフィスに別部隊がいる段階であれば,決済書類や回覧書類をプリントアウトして回覧すれば業務は回る。しかし,今回のように「ロックダウン(都市封鎖)」のように全員がテレワーク状態になり,物理的なプリントを回覧できなければ,決済も回覧もできない。

 決済,回覧機能は,かなり以前から「グループウエア」と呼ばれる仕組み上では実現できていた。しかしこれは統一的なプラットフォームの上だけでのみ実現でき,柔軟性がない。今回提案するのは,PDF書類にハンコやサインを加えてメール添付で回覧することで決済を進める方法である。

 ここで必要なのは,Adobe Reader DC(Windows/Mac),Acrobat Reader(Android/iOS)というフリーのPDF閲覧ソフトだけである。「注釈」機能を使って「署名」や「ハンコのイメージ」をPDF書類に加えて回覧できるのである。

 ハンコのイメージは,ネット上の専用サイトで作成もできるが,簡単なのは実際に紙にハンコを押して,これの写真を撮り,注釈の「カスタムスタンプ」として登録する方法だ。登録する時,画像(.jpg)をいったんPDF(.pdf)に変換すると,背景の白い部分が透明になり,文字の上に重ねても使えるハンコになる。PNG(.png)として,背景を透明にしても同じ効果が得られる。

 実は,パソコンでなくてもスマホの上でも同じことが実現できる。スマホで「リモートデスクトップ」も使える。メールも社外で使えるようにすれば,モバイル環境で頑張って仕事は可能である。Acrobat Readerをテレワークにぜひ活用いただきたい。