布マスクを各世帯に2枚ずつ郵送すると政府が発表した。5000万世帯なら1億枚。このための予算が200億円だという。これを失笑する人が多いが,本気で1億枚を確保できたなら,これは称賛に値する。
しかし,失笑を買ったように世間で求めているのは使い捨てマスクである。既存メーカーが通常の3倍,新規製造メーカーも7社と増産しているのに市場に出回らない。
今回,布マスクは政府が買い上げて,郵便局から発送するという。同じことが,使い捨てマスクでなぜできなかったのか。「マスクは配給制に」(https://jeyseni.hatenablog.com/entry/2020/03/01/204046)と以前コメントした。アメリカや台湾でも実現しようとしているのに,なぜ日本ができないか,と思っていた。公平な配布のためのマイナンバーの利用についても提案した。
布マスクを郵送するためのコストは50億円という。マイナンバーを管理する市町村で配布すれば,この分も節約できる。しかし,郵送するという手段を本当に取るのなら,国民が求めている使い捨てマスクも同時に確保して同梱して郵送すべきではないのか。
世帯ごとに2枚という数え方も意味不明だが,せめて使い捨てマスクを各世帯に20枚,10億枚を確保して発送してはどうなのだろうか。
しかし,過去にも郵便物の紛失の例は多い。布マスクを着服する人はいないかもしれないが,使い捨てマスクは着服される恐れもある。したがって使い捨てマスクには郵送という手段は望ましくないようにも思われるのが,なんとも情けないところである。
一方で,各世帯に配布される布マスクが,安倍総理が着用しているような立派な厚手の布マスクではなく,薄手のペラペラのガーゼマスクではないか,という憶測も出ている。付け焼き刃と言われないような方策が求められる。