jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ナツノマスクの難しさ--今こそ日本は世界に貢献すべき

夏場に向けて,布マスクの導入を考えており,報道で評判という布マスクを注文していたが,2日で届いた。安倍首相のアベノマスク,小池都知事の布マスク,2020年6月27日放送のニュース中居で紹介されていた夏マスク用グッズ,そして不織布製使い捨てマスクなどと併せて概略評価してみることにする。

 まず,何よりも自分にピッタリ合った布マスクを購入するのが大変困難ではないかということをお伝えしたい。その例が,小池都知事の布マスクである。記者会見の度に,違う布マスクを使われており,いったい何枚作ってあるのかと勘ぐってしまうが,気になるのは顔の大きさに合っていないように感じることだ。話をする度にマスクがずれるため,位置を調整されている。また,頬の辺りも隙間があり,ブカブカしているようだ。大きさも密着度も低いように思われる。西村経済再生担当大臣のデニム製布マスクも,やはり大きすぎるように見える。

 いったん作られたマスクは,耳ゴムの長さぐらいしか調整できない。自作の布マスクなら,作り方がわかっているため,自分の顔に合わせて作り直しもするだろうが,市販品をそこまで手を加えることはしないだろう。

 では,たとえば女性が一度合わせてみて大きかったマスクはどうなるかというと,他の人が使うわけに行かないので,場合によっては廃棄ということになる。安いもので1枚300円。デザイン性も考えると1000円ぐらいのものもある。買う前に試着することもできないから厄介だ。

 次にこの布マスクの顔へのフィット性についてである。不織布製使い捨てマスクは自動生産品だが,ヒダを付けて製作することで立体感を出しつつ,ある程度の硬さを持っている。鼻の周辺にはワイヤを入れてフィットさせ,顔と大きさが合ったマスクは頬の辺りも隙間はできにくい。

 これに対して布マスクは,全体的に柔らかく作ってある。鼻の周辺にワイヤを入れることも少ない。不織布製使い捨てマスクのようなヒダによる立体形ではないため,鼻の周辺や頬の辺りのフィット感が少ない。夏用マスクとして少し外気を取り入れやすくしているとも言えるが,逆に飛沫拡散を防止する効果は小さくなる。

 さて,筆者が注文した布マスクは,伸縮性に優れたタイプで,フィット感がかなり高い。話をしても頬の辺りがプカプカすることもない。立体裁断で鼻の周辺の隙間も少ない。夏用と銘打って比較的薄く,特に頬の辺りは1枚構造のため,頬が涼しく感じるほどである。夏用の布マスクの選択肢としてはベストに近いものではないだろうか。

 と,ここまで書いたのだが,30分使用していると,やはり頬や鼻周りに汗をかいてしまうことを確認できた。ナツノマスクは毎日洗濯して取り替えるという使い方が正しいだろう。

 安倍首相が唯一使っているアベノマスクは,大人にとっては大きさが小さいと思うが,布地が頬にかかっていないので,夏場は意外に涼しいかもしれない。ただし,昔ながらの四角い縫製で立体裁断ではないので,鼻の周りに隙間はできるし,おそらく話をする場合は唇にマスクが触れているだろう。話をするのに少し不便かもしれない。

 ニュース中居で紹介されていたマスクアダプターは,鼻から口の周辺のマスクを顔からさらに離すことで,マスクの生地が顔に触れる部分を減らす効果がある。話もしやすそうだ。しかし,逆に鼻の周辺やアゴ周りに隙間ができてしまう。正面への飛散拡散は防げるが,マイクロ飛沫の拡散は防げないだろう。価格も1000円近くするようで,ちょっと試してみる気はしない。

 さて,ぐるっと考えてみて,夏場のマスクはどうしても汗をかく。顔周辺の汗をかきにくいためのマウスシールドは,直接の飛沫拡散は防げるが,やはりマイクロ飛沫の飛散は防げない。

 そうすると,意外なことに不織布製使い捨てマスクの方が衛生的という選択もありうることになる。通常の比較的フィルター効果の高い3層構造の不織布製使い捨てマスクよりも,食品加工工程で使われる衛生マスクがいいかもしれない。

 ちなみに,筆者が自作した三角コーナー用不織布を使った使い捨てマスクも,夏用に試している。https://jeyseni.hatenablog.com/entry/2020/02/21/231932 実はこれが意外にいいのである。市販の使い捨てマスクのようにヒダを作って立体仕様にしてあるので唇への接触は少ないし,幅が使い捨てマスクよりやや狭く,頬にマスクがかかる面積も少ない。高性能フィルタが入っていないため通気性はよく,息苦しさは少ない。わずかに下にずらして鼻を出せば,さらに息苦しさは減り,一方で飛沫飛散防止効果はそれなりにある,というわけだ。再度,お試しあれ。

【追記】

 導入した布マスクを2日間試した感想を追記することにする。Very Best ! だった。顔にピッタリで暑苦しいかと思ったが,生地の涼感が宣伝通りで,顔にかいた汗は布マスクに吸われてしまうが,気化熱で涼しく感じる。これは毎日洗濯する必要があると改めて思った。

 ナツノマスクは息苦しくなりやすく,熱中症の危険性も高まるため,運動する場合は外すことが推奨されている。しかし,この布マスクは自転車で20分間,少し息を弾ませて乗ってみたが,ほとんど息苦しさを感じなかった。風を切って走るため,顔も涼しかった。

 ほとんど満点の出来栄えなのだが,一つだけ欠点があった。飲み物を飲むために片耳のゴムを外した際,全体が薄くてしなやかなために,再装着時に形が崩れてしまうことである。着け直したあとに形を整える必要があるのだ。飲み物を飲むときは片耳だけ外すのではなく,横着せずに全体を外して着け直せば問題はない。

 新型コロナウイルスが,肺やのどだけでなく,唾液腺にも感染することが明らかになってきた。唾液の中にウイルスがいるということは,会話をするだけで唾液の飛散やマイクロ唾液の飛散による感染の可能性が高いことになる。全世界的にマスク着用が必至となった。暑い地域でもマスク着用率を上げなければ,現在感染者数が増え続けているアメリカ南部や南米,インドなどの諸国での感染を抑えることが難しくなるかもしれない。ただでさえマスクの習慣のない国々である。快適な布マスクを提供するのは,繊維大国日本の役目かもしれない。