jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

人工呼吸器の増産に日本の各メーカーは協力を

新型コロナウイルスは,重篤な肺炎症状を起こすのが特徴である。症状が軽い状態から数時間で呼吸困難な状態になる患者さんが多い。

 技術的には,人工心臓ももちろん難しいが,心臓は要はポンプであり,機械的に解決はしやすい。もちろん,血液という特殊な液体を流すため,血が固まらないような材料や形状の工夫は求められる。

 一方,肺は実に繊細な臓器である。毛細血管との間で酸素と二酸化炭素のガス交換をする。ここが炎症を起こしてガス交換ができなくなるのが肺炎だと言える。肺の表面積は70平方メートル。テニスコート半面に例えられる。肺炎でこのうちガス交換に使える面積が減ると呼吸困難になり,少ない面積でガス交換させるために高濃度の酸素を送り込む人工呼吸器が必要になってくる。

 人工呼吸器も世界中で不足している。その多くはドイツで生産されているという。日本では1社しか作っておらず,ほとんどは輸入に頼っている。

 アメリカは,大統領の命令で自動車会社のGM(ジェネラル・モーターズ)が人工呼吸器の製造を始めた。もともと人工呼吸器を作っていたというから,心強い。アメリカの凄さを見た思いがした。医療機械だけに,信頼性が非常に求められるのは確かだが,日本での製造能力が極端に少ないのは残念なことだ。

 そこで提案だが,今,仕事があまりなく,しかも表で仕事ができる職人さんは,今すぐ人工呼吸器を作る仕事を始めてほしい。業種,業態に関わらず,名乗り出てほしいのである。

 マスクも同様だが,モノ作りはかつて「日本のお家芸」だったではないか。最も汎用的な仕様を厚生労働省は買い取って公開し,手を挙げたメーカーに製造委託してほしい。医療品としての審査は厳しくあるべきだが,今はそれを前面に持ち出さないでほしい。とにかく,目前の医療崩壊を,まず日本から,そしてイタリア,スペイン,アメリカなど各国にメッセージを発信していってほしい。

 日本のメーカーよ,立ち上がれ。人工呼吸器と使い捨て紙マスクの製造を,もう1本の事業の柱として,いまこそ思い切って手を挙げて製造を続けてほしい。そこに人材も求められる。もともとものづくりのエンジニアを目指していた執筆者からのお願いである。