jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「家族持ち」と「お一人様」の意識に違い?

日本でのマスク着用率が95%ぐらいになったと書いた。もともと風邪の季節である冬にはマスクを着用する人は多かったが,それでも30%ぐらいだったのではないだろうか。ただ,これから暑くなるにつれ,また自粛要請が緩和されるにつれ,マスク着用率は確実に下がると思う。

 清涼感をウリモノにした夏用マスクが“ナツノマスク”として販売され,売れているという。しかし,猛暑になったらおそらく装着率はせいぜい50%ぐらいになるのではないかと考える。そこがまた,新型コロナウイルスの再流行の始まりになるという懸念をお伝えしておこう。

 さて,マスク着用の目的について,相変わらず誤解している人がほとんどのように思うので,改めて書くが,「マスクは感染拡大を防ぐため。感染を受けるのを防ぐことはできない」。本当に感染罹患を防ぎたければ,医療現場の映像で見られるような本格的な「N95」という医療用マスクや,フィルター外付けの防毒マスク風のマスクを着用する必要がある。しかし,フィルタリング効果が高い半面,空気の流れに抵抗があり,非常に息苦しく感じるという。慣れている医療関係者でも,連続使用で30分ぐらいが限度という。医療現場の最前線では,そのようなマスクを着用し,フェイスシールドを装着し,防護服を着て,一日中診療に当たられていることを考えると,医療最前線にまさにエールを送りたくなる。それでも医療用マスクは足らないという。一般人がむやみに高性能医療用マスクを購入すべきではない。普段使いにはできない。

 筆者には家族がいる。学生である息子,娘たちは現在,オンライン講義を家で受けている。アルバイト先は休業となった。友達とはLINE電話やチャット。買い物をするでもなく,一日家にいる。それでも,勉強したり,趣味の楽器を演奏したり,映画をストリーミングで見たり,家事の手伝いをしたりと,なんとか過ごしている様子である。カミさんは,在宅で仕事をしており,週に1回,仕事を収めたり受け取ったりするために自転車で外出する。職場には滞在せず,受け渡しが終われば帰ってくる。ほかに外出するのは,スーパーマーケットでの週2回ほどの買い物の時だけである。以前から頼りにしている食料通販が,肉類も野菜も果物も届けてくれるが,パン,牛乳,ヨーグルトなどは,量も膨大になり,スーパーでの買い物に頼ることになる。

 筆者自身は,週1回,フルタイムで職場にでかけ,残りは完全テレワークで自宅作業である。それでも,出勤に利用する電車は3本を乗り継いで,実質で往復2時間30分も電車に乗っている。オフィスは,ようやくマスクの終日着用が定着し,換気やドアノブのアルコール拭き取りなども一日数回行われているが,相変わらず出社が原則となっており,出社率は80%は下らない。過密状態ではないが,通常のオフィス机の並びであり,ソーシャルディスタンシングの観点からは距離が足りない。

 ここで感じるのが,「家族持ち」と「お一人様」の意識の違いである。筆者は家族がいるので,出勤するのは抵抗がある。通勤電車の中,オフィス内で,ほかの人から感染を受けるのを危惧している。感染を受けたら,それを家に持ち帰ってしまい,家族に感染拡大させてしまう危険性があるからだ。したがって,できるだけテレワークを行い,ソーシャルディスタンシングを取り,会社にはウイルス対策を要求し,会話相手にはマスク着用を要求してきた。

 もちろん自分自身もマスクの常時着用と機会あるごとの手洗い・アルコール消毒液の常時持参と適宜使用で防御を図っているが,マスクでの感染罹患防止が期待できない以上,どこで感染を受けているか,保証できない。したがって,出勤はしたくない,という意識が働いている。

 前にも紹介したが,たった一日の出勤で感染罹患する可能性を考え,発症しないことが確認できる間の2週間を自宅でもマスク着用して家庭内で感染拡大しないようにし続けている(つまり,毎日家でもマスクはほぼ常時着用しており,食事の時は同じ部屋ながら別の机に座り,会話に加わるときはマスクをし直す,といった生活である。

 一方,職場のお一人様は,ある意味で気楽に考えているように見える。自分が仮に感染していたとしても,家で家族に感染拡大する心配はない。発症するまでは自覚症状がなく,その間にほかの人に感染拡大させていたとしても気づかないし,罪の意識もない。感染していても発症しないこともある。発症して初めて事態の深刻さを知ることになるが,その間10日間,自分がいかに多くの人と関わってきたか,周囲に感染を拡大したかもしれないか,ということに気づくことになるだろう。それでは遅いのだが,あとは自分の病気を直すことに専念するだけで,周りで感染を受けた人の責任まで意識は回らない。もちろん,自分が感染していない場合も,何となく「自分のすぐ周りには,感染している人はそうはいないだろう」と軽く考えているような気がする。安易に話しかけてくるのも,お一人様が多いように見えるのは,偏見かもしれないが。

 連休明け,自粛緩和,暑い夏の到来,各国での規制解除,などによって,気を抜くことで再び感染拡大が起きることを懸念している。新型コロナウイルスとの共存のために,「ほかの人のことを気づかえる」日本人になってほしい。