jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

どの対策も中途半端な気がする

新型コロナウイルスの対策では,PCR検査による陽性者の確認,マスク着用による飛沫飛散の防止・軽減,手洗い・アルコール消毒による接触感染の防止,人と人との接触・接近を図るソーシャルディスタンシング,換気,積極的疫学検査による濃厚接触者の追跡調査がまず行われた。

 緊急事態宣言での店舗の時短営業,飛沫飛散を防止するパーティションの設置,換気設備や定期的な換気,県境を超える移動の自粛要請が行われた。

 いよいよワクチンが供給できるようになったものの,供給数の確保,接種の順序,方法,場所の管理が十分にできていない。対象者に通知カードを送りつけて,該当者が電話やWebで予約を取る,という方法で,大混乱が起きている。

 海外では,人の移動を徹底的に制限する「ロックダウン」が各国で断行された。経済活動はゼロにまで落ち込んだが,感染拡大を止めることはできなかった。同じ時期,日本での感染拡大が限定的だったことから,日本の習慣であるマスク着用と手洗い・アルコール消毒を導入した。海外では「義務化」された。WHOも推奨した。

 1日の感染確認者数が数万人と,日本の10倍以上あった各国で,ワクチンの接種が進み,感染確認者数が1日数百人レベルまで下がった。短期間で徹底的にワクチン接種を進めており,国民全体への接種が1ヶ月程度で終わる勢いである。

 一方,日本は,ロックダウンはできず,移動自粛要請にとどまった。営業自粛もお願いレベル。外出禁止令もなし。緊急事態宣言も1ヶ月が2ヶ月,2ヶ月2週間とダラダラと延長され,国民の気持ちが疲弊し,ダラケてきたころに解除になった。気持ちの緩みが一気に解放され,再び感染拡大が始まった。今度は緊急事態宣言ではなく,「重点措置」。地域,業種を限定して営業規制をする方法だが,人の流れは抑えられない。マスク着用や手洗い・アルコール消毒は,ほぼあらゆる店舗や事務所で完璧に近いほど励行されるようになっているのに,なぜ感染拡大がまた始まったのかを考えると,マスクなしで長時間,接近して会話をする「多人数による会食」「多人数によるカラオケ」が元凶と考えられる。

 しかし,「マスク会食」は賛否両論。できる,という人と,できない,という人がいる。筆者も「できない」派である。したがって,食事の間は喋らずに黙々と食べ,食後にまとめて会話する,というメリハリを推奨する。

 さらに「アルコール」が入ると,人は自分をコントロールできなくなる。マスクなし,大声,長時間滞在が当たり前になる。それが感染拡大の原因である。

 PCR検査を徹底的にする提案は,1回目の緊急事態宣言の後に行った新型コロナウイルスの空気感染の可能性について-PCRスクリーニングをより綿密に - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/7/8。PCRで陰性の人だけを一定のエリアに限って,経済活動を普通のように行える「ホワイト・ロックダウン」の提案も同時期であるホワイト・ロックダウンの実施を - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/7/9。いまになって,全員PCR検査や山梨モデルなどで少しずつこれに近い対策が実施され,効果を上げ始めているように思う。すべてが遅いのが日本である。

 ワクチンの接種率の向上に伴って,感染確認者数が劇的に減っているのが,イラクやイギリス,アメリカである。日本は,自前のワクチン評価も行わず,海外の接種後の副反応の様子などを様子見している間に,供給を受けるのが先進国の中で最も遅くなっている。まず医療関係者向けに4万人からスタートし,段階的に高齢者,一般者と進めるのだが,仮に最初から1億人分のワクチンが届いても,接種態勢が全く整っていなかったろう。アメリカのようにアメリカンフットボール会場で1日2000人接種できるなどの態勢は,いまだに考えられていない。

 法律を変えることもできない。取り締まりの強権発動もできない。大号令もない。国と自治体と医療専門家が「話し合って」「妥協点を作って」お互いに責任のなすりつけ合いをしているように見える。いや,だれも責任を取らない。独自モデルを進めていた大阪ですら,国に助けを求めて重点措置の適用を依頼した。

 ワクチン接種のための個人認証の仕組みもないまま,ワクチンの本格供給も始まらず,その間に第四波がどこまで拡大するのか,本当に憂慮している。飲食店,カラオケ店を集中的に対策点検して認証を与える山梨モデルを全国の自治体が実施し,経済活動のレベルを上げつつ,感染リスクを下げること,そしてもう1段階厳格な自粛としての「店でのアルコール提供の禁止」を徹底的に実施し,ワクチンの本格接種が始まるまで続けることを提案したい。