jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

クルマのガラスは撥水か親水か

2020年7月豪雨が引き続いている。いつもなら梅雨の長雨というところだが、やはり異常気象だろう。

 さて、我が家には20歳を過ぎた「老人クルマ」が現役である。子どもが小さいころから使っているワンボックスカーで、今どきの災害時には一時避難できるかもしれないと思うと、なかなか手放せない。あちこちにガタがきており、2年に一度はどこか修理している。税金も高く、メリットはその車内スペースだけかもしれないが、それ以外はほとんど不満がなく、お気に入りなのである。

 この雨の季節に困るのが、フロントガラスの汚れである。これまでも、ディーラーオススメのコーティングをしたり、市販のコーティング剤をていねいに塗ったり、さまざまな努力をしてきたが、すぐにギラギラになってしまう。

 10年を過ぎたころ、ガラス磨きでかなり念入りにガラスの一部を磨いてみた。すると、その部分だけ、汚れがあまり付かなかったのである。おそらく、フロントガラスにはもともとは撥水コーティングがされていて、そのために時間が経過するとこのコーティング層が劣化して撥水能力がなくなるばかりか、かえって汚れを吸着するのではないかと思われた。

 失敗を覚悟で、このフロントガラス磨きを全面に施した。すると、ワイパーによる水の切れが実にスムーズになったのである。

 オリジナルコーティング層がなくなってしまい、ガラスの素の表面が出ているためか、単純な安いゴムワイパーで十分雨粒を取り除くことができた。その後、コーティング剤は一切塗らず、汚れたらガラス磨きで磨いて落とす、という使い方で過ごしている。

 テレビコマーシャルでは、クルマのガラスは撥水とうたわれている。水玉がすうっと流れて消えて行けばワイパーをかけることもないというプレゼンである。筆者も若いころはこの映像に憧れた。しかし、街中を50km//hぐらいで走っていても、雨粒は流れて行かない。結局ワイパーを使わなければならなかった。高速道路を使う人向けだと思った。

 その後も、撥水性を上げるワイパーブレードを使ったりしたが、値段の割に効果はなかった。 

 フロントガラス磨きは、ある意味で高価なオリジナルコーティングをはがしてしまうので、失敗のリスクがあり、オススメはできない。また、オリジナルコーティングは撥水性なので、磨いたあとは基本的に親水性になる。雨が降っても水玉にならず、むしろベターッと流れていく感じである。何もしなければ、停車中はかえって外が見やすいぐらいである。汚れ取りも、このベターッという感じが出るように磨いている。

 ところが、ここ1~2年、このガラス汚れが目立ってきた。磨き取ってもまた1週間ぐらいで汚れが付着する。雨の季節なので最悪である。

 一つには、ディーラーが勝手に交換したブレードが原因だと思う。純正なので当然、撥水対応である。おそらく、コーティング剤を練り混んだタイプで、これが逆に親水性のガラス表面を汚していると考えられる。

 もう一つが,ハイブリッド車アイドリングストップ車による頻繁なエンジンスタートと考えている。エンジンを動かすとき,どうしても未燃燃料が排出される。つまり,エンジンストップ時にエンジン内に残った未燃燃料がエンジンスタートに伴うエンジンの回転開始時に点火前に排気バルブから吐き出され,排気ガスに混じって微粒子として排出される。これがフロントガラスに付着して,ギラギラの元となっている。

 アイドリングストップ車は,信号で停車するたびにエンジンを停める。いったん停止でもエンジンを停める。いったんエンジンが停まっても,少しブレーキが緩むとエンジンがかかり,またしばらくするとエンジンが停まる。人によっては,信号停止時に3回ぐらいエンジンの停止開始を繰り返しているように見える。車内ではあまり聞こえないこのスタート時の音も,外で聞くとまるでくしゃみでもしているかのように不快に思っている。

 アイドリングストップで燃費に効果があるのは,30秒以上のエンジン停止が見込める場合だが,アイドリング時の排気ガスとエンジンスタート時の排気ガスを比較すると,後者の方がガスの質が悪い。CO(一酸化炭素)やNOx(窒素酸化物)などの有毒ガスに加えて,未然燃料が大量に放出される。頻繁なアイドリングストップは,環境にも負荷になるとともに,始動用のダイナモを回転させるバッテリーにも負担がかかる。アイドリングストップ車は,これまで以上に大型のバッテリーを搭載せざるをえないうえに,わずか1年で寿命がくる。これも環境負荷を上げている。これは車体価格の上昇にもつながり,メンテナンス費用の増加にもつながる。アイドリング時の排気ガスが少なく,歩行者に優しい,という以外には,いいことは何もないのである。

 ハイブリッド車も同様に,信号停止や一時停止,低速時にエンジンが停まり,また速度が上がるとエンジンがかかる。エンジン始動時の負荷は少ないが,未然ガスの排出については同じ問題を持っている。

 以前は,アクセル操作の荒っぽいトラックやスポーツカーなどがアクセルを踏み込んだ際に未然燃料を大量にぶちまけて走っていたため,トラックの後ろを走ると一発でフロントガラスが汚れた。今は,ハイブリッド車アイドリングストップ車が元凶である。しかしおそらく道路を走っている9割がもうこの車種となり,逃れられない。

 昔から,フロントガラスのギラギラは,油膜と言われるが,シリコーン被膜である。油膜取りと言われるさまざまな製品を試して来たが,満足に油膜が落ちた製品は一つもなかった。ウオッシャー液なども気休めである。プロは普通の水を入れているだけである。決定版がほしい。それまでは今のクルマでは親水派であり,ガラス磨き対応でしのごうと考えている。

 筆者としては,ガソリン車もディーゼル車ももちろんハイブリッド車もすべてなくなり,電気自動車か水素自動車(燃料電池車)の時代が早く来ることを願っている。バッテリー用の材料が足りるかという心配もあるため,そのための新しい技術開発とリサイクルの技術とシステムも必要である。