jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「胸キュン」の男女差

 「君に胸キュン」とか「ドキューン」とか,「キュンキュンしちゃう」とか,男女を問わず,異性に好意を持つ瞬間を言葉で表現すると“キュン”になるようだ。

 心臓がバクバクと鼓動を速め,胸が締め付けられるような思いをする。筆者にとってはずいぶん昔の思い出である。

 その当時,恋の思いに男女差はないと思っていた。お互いに惹かれ合う気持ちは共通のものであり,それが一生変わらないものだと信じていた。結婚式での誓いの言葉にも,そのような表現があり,それが普通だと思っていたものだ。

 異性に好意を持ち,近づきたいという気持ちの先に,実は男女の差があった。つまり男性には性欲が起こり,女性には新しい家族を構築するという“人生設計欲”とでもいうべき感情が生まれるのではないかと思うのである。

 正直言って,男性の性欲は単純である。排泄による快感を得られればそれで目的を達する。そのために,自動的に勃起する仕組みが作られ,交接を感知するセンサが機能し,射精が自動的に行われる。ヒトの場合は,この快感だけを求めた性行為やそれに準じた行為が行われる。種の繁栄という機能を越えて精子を撒き散らすのは,ヒトのオスだけである。

 これに対して,女性の胸キュンは,心拍数や呼吸数の増加,体温の増加以外の身体的変化は基本的にはない。相手が自分に好意,あるいは興味を持ったことに対する精神的な満足や高揚によって,心臓がドキドキして,うっとりした気分になるかもしれない。緊張というよりはむしろ弛緩して,幸せな気持ちになり,相手と一緒に過ごしたいという気持ちになり,相手の性行動を受け入れる用意ができる。その先に,結婚をし家族を作り,相手と自分の永遠の一生を夢見る,というストーリーを心に描くのではないかと思うのである。

 男性が女性に「胸キュン」するのは,基本的には外見による興奮以外の何物でもない。顔つき,体つきが基本的なポイントであり,つまりセックスに直結する感覚である。その先のことは,ほとんど頭にない。将来を意識するとしても,結婚という形で自分に服従させることしか考えない。

 女性が男性に「胸キュン」するのは,男性を総合的に判断してのことである。外見は一つの要素に過ぎない。顔つき,背丈,体つきも判断材料の一つだが,それは家族をイメージした際に,家族の中心に置けるか,家族を守ってくれるか,世間的に問題ないか,収入が安定しているか,そして健康的な生活を送れるか,などを判断する。その上で,相手のセックスを受け入れるかどうかを判断するのである。

 夢見る女性は,相手のセックスも思いやりのあるものを基本的に期待している。そこで自分勝手なセックスをするパートナーに失望することも多い。DVとなる可能性もある。それでも,夢見た理想の家族像を実現するために,ひたすら耐える女性も多い。平和な家族ですら,そのようなギリギリの線で維持されていることが多い。でなければ,これほど多くの離婚が起きるわけはない。ほぼすべてが,「性格の不一致」で片付けられているが,結婚に対するそもそもの目的が男女では違うのである。

 筆者は,正直言って理想的な結婚をし,理想的な夫,父親になろうといつも考えてきた。正直言って,ほかの方から見ても理想的な夫であり父親であるように見えていると自負してきた。しかし,それでも理想的ではないらしい。家族のメンバーからも,意見されることが結構ある。難しいものである。

 女性が「胸キュン」という一時の気持ちの高ぶりで理想の人生を描くと,失敗することも多いのかもしれない。男性の「胸キュン」には,人生設計がないからである。それでも,女性は自らを磨き,男性の胸キュンを引き出すのだろうか。

 合コンに出てくる8割の男性は,将来のパートナー探しではなく,一時的なセックスパートナーを求めて参加している。一時のアバンチュールを楽しむのが目的なら構わないが,それが一生の傷になる(身体の傷,心の傷)可能性が高いことも,考えなければならないと思う。特に最近は,睡眠薬や麻薬などの薬物を使用する卑怯な男性が増えている。薬物を入手しやすい大学の医学部や薬学部の学生や,医者の犯行がやたらと目に付く。しかし,ネットでも入手しやすいらしいから,もうどうしようもない時代になってしまっているのかもしれない。

 経済がさらに停滞する時代である。現在までのように社会の中心を担ってきた男性が,その経済基盤を失い,家族を支える能力や余裕を失い,それでも動物としての性欲は失わない。これで社会がおかしくならないわけはない。経済をもう一度回復させるのは,男だろうか。それとも女性だろうか。ここで女性に活躍して,主導権を取ってほしいところである。政権政党内の派閥の論理による一国の総理大臣選びがこのまま進んでいいのか。対する陣営が,自らを「第一野党」と言うか。情けない。女性議員の集まりが,結局何の提案もしなかったのも,残念というしかない。

 正式な方法ではないが,クーデターしか方法はないのかもしれない。いでよ,21世紀のジャンヌ・ダルクよ。