jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

肉食と草食--男の本性は野獣以下かもしれない

男と女の関係について、どうすれば平等、あるいは対等になるか、これまでにもいろいろ考えてきた。平等や対等であるには、理性、知恵、知識、話術など、頭を使うしかないという結論を出したが、ほとんど解決にはならなかった。

   生物界を考えて、人間の男女の関係を「肉食獣と草食獣」に例えた時、やはり男女差を乗り越えるのは大変だと改めて思った。男は肉食獣、女は草食獣である、と設定すると、すべての行動を表すことができるように思われるのである。

   通常、肉食は食料として食欲を満たすものだが、男にとっての肉は、セックスの対象としての肉欲であり性欲である。食欲と同じく,少なくとも定期的に空腹になり,食べなければ満足しない。しかも,美味しそうな対象があれば,絶対空腹でなくても欲が湧き上がってくるし,食することもできてしまう。

 ヒト以外の動物は,常に生きるか死ぬかの瀬戸際で生活しているため,無駄なことはしない。空腹でなければ狩をすることもないし,メスが受精可能期に入って発情していなければ交尾もしない。ところが人間は,美味しそうなものが目の前にあると,本能的に欲が発生し,これを制するという知性が働かなくなってしまう。食欲の場合は,自分が太るだけだが,男性の性欲の場合は無差別な性欲発揮行動に移ってしまう。性犯罪,性産業に走る可能性を常に持っているが,実際の行動に移らなくても常に欲の対象を探す行動と感情を持っているのが,人間の男性である。

 一方,女性にとっての性欲は,ベターパートナーを選択する際のワクワク感や,一緒にいるときの安心感,そして抱擁時の脱力感など,さまざまな場面での高揚感を求める気持ちを,ある意味で勘違いしていると思われる。ハンサムな男性がいれば“胸キュン”となり,それは結婚を意識した感情である。

 しかし,女性の考える結婚が,家庭を築きパートナーと共に共同生活をする,という長期の形であるのに対し,男性の考える結婚は,他の生物における“結婚”,つまり子孫を残すための交接と大差がない。さらに人間の男性が厄介なのは,性欲を満たすためだけの交接が目的でもあるからである。肉食獣の食欲と同様,腹が減れば次の獲物を求める。キリがないのである。

 肉食獣は,強いオスが自分のDNAを子孫に残すレースに勝つ。このために,オス同士で力づくの争いが行われる。大きく力強いことが有利であり,メスはその交接を基本的に受け入れることになる。負けたオスは子孫を残すことができないが,性欲は基本的に年1回の繁殖期のみであり,そのほかの季節は普通に生活できる。しかし人間のオスは1年中が交接可能時期であり,常に性欲を満たそうとするので,さまざまなトラブルの元になる。

 一方,肉食獣の獲物となる草食獣は,エサとしてのクオリティを求められる。子供は弱くて美味いのでエサとしては適切だが,一般的に親や集団で子供を守ろうとするため,逆襲に遭う危険もある。年寄りも弱くて狙いやすいが,美味さの点では若くて元気な成獣を狙う。人間のオスも,厄介なことに若くて元気な女性を性欲の対象とする。しかも適齢期の男性ばかりか,結婚している中年,そして老年以上の男性も,やはり若い女性には性的な魅力を覚え,性欲の対象とするのである。

 好みにもよるが,性的な魅力のある女性が対象としてまず選ばれる。太り過ぎ,痩せ過ぎ,年配者などに対して,性的な興奮を覚えなければ対象とされない。

 男性に選ばれるために,女性は自らを魅力的に見せる努力をする。しかし,選ばれたからといって,男性が家庭に収まることはない。男性の肉食がとどまることはなく,それは家庭外へと向いて行ってしまうのである。

 トムソンガゼルとライオンの関係,ただし,トムソンガゼルを獲物として襲うのは基本的にメスのライオンなので,ちょっと例えは違うかもしれない。むしろ「美女と野獣」かもしれない。物語では,野獣は心が解けるのだが,残念ながら一般の男性は物語の野獣以下の肉食獣のままなのである。