jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。

2020年のNHK紅白歌合戦に思う。

悪夢のような2020年末は,NHK紅白歌合戦を観た。例年は子供たちが他局の娯楽番組を観ることが多く,部分部分を観るだけだったが,今回は無観客での開催がどのように行われるのか,少し関心があったことと,他局の娯楽番組の質がさらに低下していたらしく,子供たちも紅白を観ることに文句がなかったためである。

 一時期,紅白の視聴率が低迷していたため,さまざまな改善策が講じられていた。1部を若者向け,2部をベテラン向け,などと分けたりした。

 これまでの紅白は,両チームの大ベテランが最後を飾ることで盛り上げるパターンが続いていた。出場回数最多となるような大ベテランと言えば,たいていは演歌の大御所と相場が決まっている。呼び方も「オオトリ」。取りを飾るのは,演歌の大御所だった。

 すでにそのパターンは崩していたのかもしれないが,2020年末の紅白は,福山雅治MISIAが各チームの最終歌手だった。司会者からの紹介の方法も気を付けて聞いていたが,「オオトリ」との表現がなかった。ベテラン主導パターンから脱皮しているようだ。それでも,超ベテランの北島三郎との自宅中継を加えたのは,まだ縁が切れていないからなのか。

 福山雅治は,毎年紅白には出演しているが,例年は自分のコンサートの中に紅白への中継を挟む形でのチョイ参加だったが,今回はNHKホールで実際に歌った。ほかの出演者が,数時間にわたって紅白の会場で他の歌手の演技を「応援」しているのに,自分はその時間を自分のファンへの公演に使い,チョイ参加で辻褄を合わせるという手段を取っていた。「失礼にもほどがある」と毎年思っていた。今回は,NHKホールで歌うが,その見返りとして最終公演者の場所を得た,ということなのではないか。新型コロナウイルス禍で,おそらく自分のコンサートが開けなかった,あるいは自粛と称して開かなかったので,その代わりとして紅白の会場での出演をした,と勘繰ってしまった。

 総合司会の内村光良は4年連続だった。昨今のお笑い芸人の大進出のきっかけになったのが,同氏の司会業での活躍だろう。ウッチャン・ナンチャンのコンビでの漫才から,南原清隆もそれぞれ司会業も務めて活躍している。話芸が堪能なだけに,司会業も務まるわけで,おそらくNHK冠番組を持ったタモリ氏以来の人材ではないだろうか(もちろん,所ジョージ氏も逸材ではある)。

 タモリ氏は長年にわたって他局でバラエティ番組の司会を務めた。芸能界の中できちんと進行ができる唯一の人物ではないかと思う。下品な突っ込みをしない,博学である,大声で恫喝しないなど,常識の範囲で進行をされている。内村氏もなかなかである。最後のセリフまで,きちんと伝えられるそのまじめさが伝わってくる。

 お笑い界の人材にも幅があると思う。何より,自己主張をしないで番組を進行できることが,バラエティ番組ではない番組の司会者として必要不可欠な要素だと感じる。サンドイッチマンの二人による「病院ラジオ」も,出演者である患者さんやその家族に配慮した進行になっていると思う(残念ながら,同じ二人による「サンドのお風呂いただきます」は,企画そのものへの抵抗もあり,受け入れていない)。逆に,ダミ声の笑福亭鶴瓶上田晋也明石家さんまは,自己主張が強すぎて,NHK向きではないと感じる。同じダミ声だが立川志の輔氏の「ガッテン」司会は,トーンを抑え,さすがに絶妙である。

 お風呂の話題が出たところでついでに,相変わらずハダカ芸が止まらない。若手もベテランもこの捨て身芸はテレビでは出さないでもらいたい。また番組企画側も,ハダカ芸は出させないでもらいたい。公序良俗に反する行為である。