jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

大人の多言語へのカギはカタカナという案

筆者は,家族揃って2005年からある民間の国際交流活動に参加しているという話を先月書いた 日記の域を越えつつある? - jeyseni's diary 2021/4/14。この活動は,日本では先進的な「多言語の自然習得」活動である。英語だけでなく,それぞれの国や地域の言葉を大事にしようという姿勢が実にユニークである。最近の英語学習では,単語や文法からではなく,文全体をまるごと真似しているうちに身につく,ということが言われるようになった。おそらくその先駆けである。全国に同じ活動をする仲間がいる。

 「冬のソナタ」に始まる韓流ブームよりはるか以前から,この活動では英語の次に韓国語とスペイン語を取り入れた多言語の環境ができた。欧米だけでなく,中国語,ロシア語を加え,さらにアジア系の言葉が7つ,中国語に次いで話す人が多いというアラビア語,そしてアフリカのスワヒリ語なども加わり,現在は20ヶ国語が対象である。

 メンバーで人気のあるのは,韓国語,スペイン語,ロシア語である。スペイン語を話すメキシコと韓国語の韓国には,同じ活動が広がっている。そのサポートもあるので,それぞれの国に留学を志す若者も多い。筆者も韓国に1週間のホームステイを経験した。この活動がなかったら,韓国という国にも言葉にもまったく関心がなかっただろうと思う。

 では,20ヶ国語を話せる多言語人間になったかというとそんなことはない。韓国語は空(そら)でいろいろな文を覚えた。ドラマを見ていても,言葉の雰囲気は心地よいし,ところどころ意味が分かる単語も出てくるので,面白いなと思ったりする。このほか,ロシア語も子どもたちが好きな言葉なので,聞く機会は多い。ニュースで海外の話題が出てくると,現地の言葉でなんと言っているのか,聞き耳を立てることも多い。筆者自身がほかに比較的理解できるのは,大学時代にラジオ講座テレビ講座でも勉強したドイツ語である。遊びで1年間勉強したフランス語も,まあまあ分かる。

 さてこの活動の原点は,赤ちゃんが言葉を習得する「耳で聞いて真似をする」というプロセスを大人も真似して多言語人間になろうというものである。いろいろな言葉をスピーカーで流し,それをみんなで真似して楽しみ,そのうち自然に身につく,というのだが,知らない言葉を耳で聞くだけで,心地よい,面白いというところまでは行くのだが,「自然に身につく」というところはなかなかハードルが高い。日本語という母語が邪魔をしていることは理解できるし,理性があるために赤ちゃんになることを拒んでいることも理解できる。これを乗り越えるために,常に自分の周りにいろいろな言語の音を流して親しむことや,みんなで集まってゲーム感覚で楽しむことを続けるのだが,やはり一筋縄ではいかない。

 英語は自分にとってほとんど自然に理解できるもう一つの言語である。これは自然習得したわけではなく,単語から入って文法,そして英会話などを勉強する中で身についた。ラジオ講座の講師の教え方がうまかったし,講師の先生方の教え方が好きで,毎日楽しく学習を続けられたことが,大きいと思う。

 言葉を真似っ子をするのに,大人にとって音だけに頼るのは,なかなか厳しいというのが,15年も活動してきた中で感じることである。最近は,若い人たちが会を引っ張っていってくれているので,活動からかなり離れつつある。お父さんだけの集まりもしんどくなってきたという面もある。

 それでも,ときどき韓国語や中国語をもう少し分かるようになりたいと思うことがある。ハングル文字が読めるといいなと思ったりする。スマホの韓国語アプリを何種類か入れては,断念している自分がそこにいる。かつて英語を習得したような流れができないかと思うのだが,なかなか言葉を理解することはできない。

 最近,インターネットの複数のサイトで「日本語-ハングル-カタカナ読み」で参照できる単語帳を見つけた。合わせて2000語ぐらいの単語があった。これを使わせてもらって,Excelでまず単語一覧表を作り,これをさらにファイルメーカーのデータベースに移した。そしてスマホの単語帳アプリにも読み込ませて持ち歩くことにした。

 使い方は,日本語で検索してその読みをカタカナで見,そしてハングル文字を見て,ハングルでの読みを確認する,という流れが一つ。そして読みの音をカタカナで検索し,それに相当するハングルと日本語と見つけて理解するというのがもう一つの使い方である。例えば韓国語で「チャ」という音がある。これを検索すると,「チャドンゴ」といった韓国語が引っかかる。日本語でいうと「自転車」である。チャリンコという言葉はここから来たのかな,と想像したりする。これがちょっと面白いと思うのである。

 これまでもハワイの原住民の言葉であるマウイ語で挨拶や自己紹介をするのを覚えるのに,カタカナで書き出して,それを丸覚えしたらいつのまにか話せるようになった,という経験がある。カタカナで音を耳と目から覚えることで,定着率が高くなるのではないかと思う。大人の多言語習得のカギは,カタカナで覚えることが近道かもしれないというのが,最近の感想である。家族や仲間にはまだ話していないが,この方法でしばらく自己流で真似っ子してみようかと思っている。