jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

使いかけのアルカリ乾電池--もったいないが捨てるしかないのか

筆者は非常用品の1つとして,さまざまな大きさの乾電池を備蓄してきた。かつては,懐中電灯に使われていた単1型の太い乾電池,ラジカセに使われていた単2型,電卓やポケットライトなどに使われていた単3型,そしてさらに小型機器用の単4型である。

 このうち,単3型と単4型は,新規の購入をやめて,リチウムイオン二次充電池への置き換えを進めている。今アルカリ電池を使っているリモコンや時計などを使い切ったら,リチウムイオン充電池に変えていこうとしているのである。

 単1型や単2型を使うような電気器具は激減している。懐中電灯といえば単1電池2本を入れた筒を手でちょうど握れる太さだった。ラジカセでは単2電池を4本,6本,8本と入れて使っていた。現在は,懐中電灯はLEDになり,ボタン電池や単3型電池2本で十分使えるようになった。ラジカセはすでにほぼ存在がなく,音楽プレーヤーやスマホにその場を奪われた。したがって,単1型,単2型はほぼ出番がなくなった。

 一方,単3型,単4型を使う機器も変わってきた。そもそもアルカリ乾電池は,その前身であるマンガン乾電池に比べて電圧が高く,しかも電流を安定して取り出せるため,モーターを使う機器に適している。しかし,かつてモーターで連続回転していた時計は,ステップモーターで断続的に動かす方式に変わり,消費電力が一気に下がった。音楽再生用のCDドライブにもアルカリ乾電池は向いていたが,ポータブルのCDドライブもほぼ過去の製品となりつつある。

 現在,乾電池が何に使われているかというと,小型のLED懐中電灯,リモコンぐらいではないかと思う。ところが,これらの電気機器は,消費電力が極端に少なくなっている。つまり,電流を一気に流すことが得意なアルカリ乾電池よりも,実はマンガン乾電池の方が長時間安定して使えるのである。

 しかもアルカリ乾電池は,低電力で長期間使うという用途には向いておらず,こういう使い方をすると液漏れしやすくなるのである。したがって,現代社会でアルカリ電池を使うことは,用途も少なく,使った場合に液漏れで電気機器そのものを使えなくしてしまう可能性が高いのである。

 これに対してリチウムイオン電池は,短時間に高い電流を流すこともできるし,長時間電流を流しても液漏れしにくい。1回充電すると,1年放置しても8割ぐらいの電力をキープでき,非常用の備蓄にも向いている。充電回数は500回,700回,1000回などと言われるが,実際これほど充放電に耐えられるのかどうかはほとんど試したことがない。かつてICレコーダー用に使っていたときも,100回ぐらいは使えたかな,という程度である。一度使い始めたら,途中でその充電をするのに数時間かかる点が面倒ではあるが,リサイクルもできる点が優れている。

 何しろ,マンガン電池もアルカリ電池も,分別回収はされるものの,リサイクルはほとんど行われず焼却や埋め立て処分されている。かつて,アルカリ電池には水銀が含まれていたため廃棄が問題になり,たしか北海道の専門業者が回収して水銀を取り出していたが,いまはその話も聞かない。

 それでも,電気機器をすぐに使おうとすると,アルカリ乾電池は便利で手軽に使っていたのだが,なんとなく途中で調子が悪くなると新しい電池に交換していた。しかし,古くなったはずの電池の電力残量を測ってみると,意外に残っていることが多い。これを何とか使えないか,というのが今回のテーマなのだが,いろいろ調べてもあまりいい方法が紹介されていない。

 たとえば,LEDランプにつないではどうか,という提案があるのだが,室内照明に使えるほどの製品がない。せいぜいキャンプ用のランタンなのだが,生活の明かりとしては暗いし不安定である。かといって,小型の懐中電灯に使っても,長時間使って使い切ることもできない。

 リモコンに入れても使えるが,これこそ液漏れしたら厄介である。

 集めてモバイルバッテリーの充電とかに使えると便利なのだが,こういう用途に使えるような機器は存在しないようである。

 少し大きめのキャンディーボックスに,古いアルカリ乾電池が溜まっている。かつて筆者の机の引き出しなどに転がっていた電池を集めただけで数十本が集まった。これがずっと手元に残っている。すでに液漏れを起こした10本ぐらいは廃棄しているが,残量のある数十本が少しもったいないという気持ちがあり,残っているのである。

 しかし,今回の考察で次の乾電池回収日には処分してしまおうと考えている。というのも,これで保管していて液漏れを起こしてしまう可能性があり,ほかに使い道も見つからないからである。正直,そういう意味で,現時点でアルカリ乾電池の量産は止めてしまってもいいぐらいではないかとも考えるのである。