2022年9月8日 イギリスのエリザベス女王の訃報が入った。2日前に、新しいトラス首相の任命をしたばかりだったので、さすがに驚いた。96歳とのことである。
エリザベス女王の葬儀は、国を挙げて行われるだろうことに、おそらく異論はないだろう。国家元首でもあるからである。
一方、旧ソビエト連邦のゴルバチョフ元書記長も、2022年8月30日に91歳で亡くなった。こちらも、西側諸国からは東西冷戦を終結させた功労者と思われているのだが、当のソ連では西側に屈したと捉える国民も多く、裏切り者と考えられている。葬儀もひっそりと執り行われた。
日本の安部晋三元首相の暗殺は、確かに衝撃的だったが、ここに来て、本当に国葬に相応しいのかどうか、再検討すべきではないか。
正直、上皇様、上皇后様も、体調万全ではない。もちろんさらに長生きはいていただきたいが、そこは人の寿命でもある。いつまでも生きられる訳ではない。日本は、元元首、元元首夫人のために、国葬枠をキープしておいた方がいいのではないか。
現実、筆者の周りにも安部国葬に大賛成と公言して憚らない人がいる。ネット上では税金を使いたくないのなら私費を出すから国葬にしろというトンでも輩もいる(単なる売名行為であることは明白である)。個別に業績を見れば、主張も理解できなくはないが、今度は安倍晋三氏の業績を世界のレベルで見たときに、「今、国葬にすべきなのか」と考え直すいいチャンスだと思うのである。
国民の半数が、そもそも国葬に反対している。葬儀費用も曖昧である。他国の要人はアメリカのハリス副大統領とカナダのトルドー首相だけである。おそらく、エリザベス女王の葬儀には岸田首相も含めて主要国のトップが参列するだろう。それを踏まえても、安倍氏の葬儀は国葬扱いにしないのが妥当な考え方だと思うのである。
アメリカ大統領でも、すべて国葬になるわけではない。トランプ元大統領なら国葬支持者が半数を超えるだろうが、それでも国葬にはならないと思うのである。
エリザベス女王に敬意を払い、内輪だけの葬儀でもいいではないか。ここは、昭恵夫人が国葬を辞退するという決断をすべきではないか。その方が格好いいと思う。