jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「ロシア」という国名を捨てる覚悟が必要なロシア国民

ウクライナ侵攻をすることによって,歴史的に「ロシア」という国名は「悪い国」というレッテルを貼られてしまうことになりそうである。筆者は,この戦争を起こしたのは,ロシア全体ではなく,プーチン大統領率いる一部のグループによるものだと信じたい。しかし,実際に戦争に関わっている兵士以外に,かなりの割合のロシア国民が現時点ではプーチン大統領を支持している。ロシア国内の情報統制やプロパガンダによるものと外部からは見えるが,実際にロシアの中では逆に西側諸国が突然,ロシアに経済制裁を仕掛けてきた,という見方をしている人がかなりの数がいるようだ プロパガンダは日本にもあった--大本営発表と天皇制。しかし今や「平和」思想そのものが日本のプロパガンダなのではないか - jeyseni's diary 2022/4/9。自分たちを正当化するウソをウソと思わない教育--これが外務大臣の責務だというコメントに恐怖心すら覚える - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/3/12。

 一方で,ロシア国内でも今回のウクライナ侵攻はおかしい,という世論が若い人を中心に広がっている。ロシアの国営放送は情報統制をしているが,若い人はSNSを通じて世界の情報を広く受け留めている。もちろん,SNSの中にもフェイク情報が満ち溢れているので,話は厄介である。ロシアの中でプーチン大統領の言動・行動に「ノー(ニィエット)」を言える人は多いが,言った途端に警察権力に拘束されてしまう。いずれの社会主義国でも同じような状況のようである。

 ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州をそれぞれ独立国とするとプーチン大統領大統領令に署名したのは2022/2/22。親ロシア派の住民が多いという地域である。今じゃないでしょ--コロナ禍に軍事侵攻をすることへの失望と,地方自治体の活躍に期待 - jeyseni's diary 2022/2/25 の中で,親ロシア派の多いこの地域はプーチン集団に渡してでも,ウクライナという国を残す案を書いたのだが,残念ながらウクライナ国民の被害が止まらない。歴史学者、歴史作家は言うことはないのか--過去の戦争からいかに脱したか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/2/28 のブログで,旧ソビエト連邦以降の歴史に学ぶことはないか,と書いたのだが,プーチン集団が勝っても負けても,現在のロシアの中でアンチ・プーチン,アンチ・ウクライナ侵攻の人たちが,ロシアという名前を背負っていくことに抵抗があるのではないかと想像する。

 ロシアの歴史をWikipediaの解説で見てみた ロシアの歴史 - Wikipedia。詳細は見ていただくとして,なんと最初の国家は9~12世紀の「キエフ大公国キエフ・ルーシ)」で,現在のロシアより西側にあるロシアから独立した国が並ぶ辺りにある。現在のウクライナの首都であるキエフはこのときからあったようだ。なるほど,ロシア語であり,現在はウクライナ語の「キーウ」にほぼ変更された。国名のキエフ・ルーシの後半が「ロシア」の元になっているという。まさかここまで遡って「ウクライナはロシアのものだ」という考えで侵攻したわけでもあるまいが,なぜか誰も言わないので紹介することにした。ロシア大公国の前は東スラブ人が移住し,その後,ロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人に分かれたという。この辺りから,民族間の対立があったようだ。

 その後,東にどんどん領土を拡大し,また南に領土を拡大して,冬でも凍らない港を確保することが,最大の目的だった。クリミア半島の独立とロシアへの併合が2014年。ロシアから飛び地となっているクリミアと陸続きにするために,マウリポリを奪うことがロシアの最大の目的になっている。同時に,ウクライナ全土を支配するために,親ロシア派以外のウクライナ人をすべて抹殺しようとしているように見える。ロシア人にとってウクライナ人は目の上のタンコブなのだろう。

 西側諸国によるロシアへの経済制裁は,ロシア国民に大きな影響を直接与えているものの,ウクライナ侵攻をしているプーチン集団には直接はほとんど効果がない。逆に,ロシアが輸出しているエネルギーや海産物などが止まることで,日本を含む西側諸国が物価の高騰を招き,国民が大きな影響を受けている。

 NATO軍が乗り出せば,戦局は一気に悪化する。その前に国連(UN)軍がまず親ロシア派地域からウクライナ人を救出した後,その地の線引きの交渉をするしかないのではないだろうか。

 一方で,ロシアという国がこの21世紀に武力行使で他国を侵略した,という事実は,歴史上で大きな負の遺産として残ってしまう。親ロシア派もプーチン支持層も,これに堪えられるのだろうか。また,ロシア国内で戦争反対を主張している若者たちは,ロシアという国にとどまることを選ぶのだろうか。

 いまこそ,プーチン大統領に対抗できる若い指導者がロシアに反旗を翻し,戦争に反対するロシア国民は,ロシアという国名を捨てて独立すべきなのではないだろうか。これのサポートは,国連がすべきだろう。

 しかし,それにしてもソビエト連邦が崩壊したというのに,結局はロシアという超大国とその周辺の小国というパターンしかなく,ロシアという巨大な国が残ってしまった。今後,北朝鮮-韓国や中国-台湾といった対立関係の国が増えてしまうのだろうか。