jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

そもそもウクライナ紛争の原因は何だったのか--親子ゲンカの落ち着く先はどこだろう

広島G7サミットが終了した。非常に大きな意義があったサミットだが,思わぬハプニングもあり,それが近い将来にどう影響するかについて,筆者の考えをまとめておくことにする。

 そのまえにG7の「G」とはなにかを自問してみると,答えが出なかった。最初は「Global」つまり地球規模の,という意味かと思っていたのだが,どうやら「グループ」のGらしい。単にグループができればG○○という会合ができるろいうことらしい。

 そもそも,自由主義国家グループと,社会主義国家グループが折り合うはずはなく,同じ組織に所属していても,方向性は全く異なるので,合意のしようがない。

 社会主義国家は権威主義国家であり,独裁主義国家である。いずれも,自由主義国家の概念から見れば「悪い」というレッテルを貼った単語である。しかし,一般の会社であれば社長という権威者・独裁者が,自分の思想のもとに会社を運営し,利益最大化を目指している。自分たちの利益のためには,競合相手を潰すこともいとわない。その思想に共感する人が社員となり,同じ方向に向かって邁進する。社長の決断の速い会社が社会情勢に応じた柔軟な経営ができると言える。

 しかしこれが大企業になると少し話は変わってくる。大会社の社長の椅子を狙って,社長派以外の派閥を作り,トップに変わろうとする。何しろ大企業では,上のご機嫌を伺っていれば地位も収入も安定し,長く会社にいることができる。そして機を狙ってトップの座を手に入れれば,一気に自分の地位と収入を上げることができる。

 社会主義国でも大国になれば,現在のトップ以外にその座を狙う人物も出てくる。大企業と同じく,左遷したり失脚させたりして排除するエゲツない動きもある。

 旧ソビエト連邦も典型的な社会主義国家だったが,その周辺地域がソ連崩壊とともに独立国家となった。社会主義を踏襲した国もあれば,自由主義に向かった国もある。前者の代表がベラルーシ,後者の代表がウクライナだったということだろうか。

 同じロシア語系の言語を使い,言わば兄弟国,親子国なのに,ケンカしてしまっている形だろう。もともと「親」という意識のロシアが,「子」の反抗に対して躾をしようとしているのだろうか。子どもはすでに独立し自立している。逆に親が力負けしそうになって,必死にこらえているような状況だろうか。

 子どもが仲間を増やし,正論で反抗してくるので,親は挙げた拳の下ろしようがなくなっている。何しろ,仲間の中には親と同じぐらい身体の大きな乱暴者がいるからである。

 普通なら,子どもが譲歩し,親がそれを許す,というところで解決するのが平和的なのだが,子どもが親を殺すというパターンもないわけではない。今回も行き着くところまで行ってしまうのだろうか。

 仮に和解したとしてもシコリは残る。どちらかが消えるしかないのだろうか。

 本来は,旧ソ連崩壊で社会主義国家の論理よりも自由主義国家の論理の方が先行して経済回復に向かった。しかし,現時点で自由主義国家は世界の3割しかなく,6割は社会主義国家,権威主義国家である。中心人物の速い決断で物事が柔軟に動くことで,経済発展の速度が自由主義国家を上回ったからである。

 戦後の日本は,自由主義の論理で急速に経済発展し,世界の中でもお手本と言われたが,いまやその地位は地に落ちている。だれももう日本に学ぼうとしない。実際,日本が今,世界に誇れるものは何もなくなってしまった。残念ながらG7広島サミットでは日本がウクライナに完全に肩入れする形となり,中立の立場ではなくなってしまった。もっとも,日米安保条約の傘の下にある日本は,力もないクセにキャンキャンと騒ぐ小型犬みたいなもので,簡単に蹴飛ばされてしまうだろう。

 ロシアはまず,自国の兵士を数万人も死なせてしまったことを反省して侵略を止めることが必要である。一方ウクライナは,親ロシア派の支配地域を放棄し,ウクライナが自立できる国境線を引き直すための譲歩をする必要がある。クリミア半島や東部地域は,いくらウクライナ領だと主張しても,親ロシア住民がいる限り,ウクライナの自由にはならないからである。

 話し合いで妥協点を探り,お互いに納得して手を引く,というのが,人類の知恵だったのではないか。戦争も犯罪も,結局は元の野生に回帰してしまったということではないか。やはりここは,神に最も近い天皇陛下に登場いただくしかないのではないか。何度も書いているが,利己のない,そして宗教色のない,最も崇高な理想を語れるのは,日本の天皇陛下しかいないと思うのである。