筆者は機械技術を学んだ者として,コンピュータの記憶装置としては基本的にはハードディスク(HDD)派である。しかし,3年前に今のノートPCを選ぶ時点で(今度はmouse - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/12/25)でスピード重視で半導体メモリー(SSD)を主メモリーとして選択した。メモリーへの書き込み・読み出し時に,HDDでは読み出しヘッドが移動する際の機械音がするが,SSDではまったく音がしない。何か物足りなさを感じていたが,アクセススピードが10倍とあっては,選択せざるをえなかった。
その後,とりあえず内蔵SSDが不調を起こすこともなく,静音・高速パソコンに満足している。オフィスのデスクトップPCよりもはるかに性能が上なので,テレワークの方が快適なのである。
さて,自宅とオフィスとの間のデータの同期を取るために,USBメモリーを使い続けてきた。32GBからスタートし,64GB,128GB,256GBとなぜかどんどん容量を増やす必要があった。
差分だけをコピーするFreeFileSyncというソフトも手放せなくなっている。ずっとフリーのまま使っていたが,現在のノートPCにしてから寄付登録して,自動アップデートにした。よくできたソフトである。
256GBのUSBメモリーと,PCのUSB3.0コネクターとの相性も良く,当初は規格どおりの50Mbpsぐらいの転送速度が出ていた。それまでのUSB2.0だと10Mbpsぐらいしか出ず,同期に30分以上もかかっていたからである。
しかし,USBメモリーの空き容量がない状態でデータベースの8GBものファイルをコピーしようとすると,転送速度が一気に落ち,20分経ってもコピーが終わらない状況になった。バックアップとして昨年末に構築したFTPファイルサーバー(FTPによる自宅ファイルサーバーをやっと構築--最大4TBのリモート容量を確保 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/12/16)は順調に稼働しており,こちらは安定して10Mbpsの転送速度を実現しているのだが,今度はFreeFileSyncの同期確認に10分ぐらいかかり,トータルで20分近くかかることがわかった。
そこで,とりあえず,巨大なデータベースファイルはFTPで転送,その他のファイルはUSBメモリーで同期を確認して,データベースファイル以外を転送,という運用を続けていた。何しろ,USBメモリーの市販品の最大容量が256GBなのが現実だからである。
先日のAmazon Primeデーの売り物の1つに,BuffaloのUSB型SSDがあった。USBメモリーの2倍の512GBが3000円台だったので,急きょ購入をした。
実は,ネット上にも情報があるが,USBメモリーで“1TB”などと書かれている詐欺品に以前引っかかったことがある。値段が2000円台と格安で,試してみるのにいいかと思って購入したところ,中身は32GBしかないという代物だった。それにしても,PC上では1TBと表示され,ある意味で“よく作った”詐欺品だった。
今回購入したのはBuffalo製なので大丈夫だろうと考え,実際,大丈夫だった。そして,その転送速度は実測で300Mbpsをたたき出している。USBメモリーの5倍である。8GBのデータベースファイルも1分以内にコピーできた。
とりあえず,空き容量を十分に確保した状態で,使うことにする。データの持ち歩きそのものは,鍵をかけてはいるもののコンプライアンス上の問題がないわけではないので,できればFTPを中心に運用したいのが本音であるが,ファイルサーバーの4TBハードディスクも24時間動きっぱなしなので,いつ壊れるか分からない。あちこちにコピーを置くという貧乏根性は直らないし,断捨離もできない。古いパソコンやUSBメモリーがゴロゴロと転がっている状態で,なかなか終活が進まないのも現実である。
周囲を見るとパソコンの主メモリーのSSD化は加速しているように思う。価格差がほとんどなくなってきたからだろう。タブレット,スマホなどの含めて,半導体需要は拡大し,必要なところに半導体が供給できないという事態も起きている。実際,PCはともかく,タブレットやスマホは,作られても使われずに葬り去られている製品が山のようにあるのではないかと思っている。都市鉱山は実際は機能していない。資源の使い方については,もう一度考える必要があるだろう。
【追記】USB型SSDから,HDD搭載のデスクトップPCにUSB3.0経由でファイルコピーしたが,ここでの最高速度は50Mbpsどまりだった。受け側がHDDなので,キャッシュの限界なのだろうか。
また,今回はSSDの認識がマスストレージではなく,ドライブとして認識されたため,右クリックでの「取り出し」,機能拡張での「メディアの取り出し」が効かなかった。対応策についてはまた検討してみたいと思う。