jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

Z世代が考える「戦争と平和」を番組で見た--関心のある若者がいることを知ることができたのが収穫

2023/8/15は78回目の終戦記念日である。武道館では政府主催の記念式典,広島や長崎,北海道,沖縄など各地で式典が行われた。戦争で犠牲になった兵士や市民の霊を祀るのが目的である。

 NHKスペシャル「Z世代と“戦争”」を見た。筆者は基本的に人の考えをほとんど聞かないし,特に若い人の話はほとんど聞かないのだが,この番組では戦争や平和,核兵器に対する若い世代の率直な意見や行動,専門家の戦争分析などが聞けて,非常に有意義だった。

 専門家の分析では,日中戦争第二次世界大戦における日本の立場をウクライナ紛争に当てはめた場合,日本は戦争を始めたロシアに当たると明言された。また,戦争を始める理由として「自衛のため」が口実になっているとも明言された。さらに,世界の警察機関として設置された国際連合(国連)が機能していないことも明言された。

 徴兵制がないため,実際に戦争が始まった場合に武器を扱える人材がいないこと,訓練を受けた自衛隊経験者でも相手に対して引き金を引けるかどうかは分からないことなども明らかにされた。ウクライナでは徴兵制を廃止して2ヶ月後にロシアから攻撃を受けたが,すぐに対応できたことも明らかになった。

 10代~20代後半のZ世代は,戦争経験者と接点が持てる最後の世代だという。経験者の話を直接聞くことができる最後の世代である。しかし,原爆の被災者であれ,沖縄戦の犠牲市民であれ,最初に戦争を起こしたのは日本側である。亡くなった方を悼んでも,結局,戦争を仕掛けたのは日本側なので,大きな顔はできないのではないかと思ったりするのである。

 江戸時代の300年は平和を維持できたのに,その後100年の間,10年に1回は戦争を仕掛けた日本の立場をどう分析するかが重要だという指摘も聞いた。

 残念ながら,日米安保条約における日本の立場の話題は出なかったし,中国や北朝鮮の軍事力増大の話題も限定的だった。筆者は,北朝鮮のミサイル攻撃の脅威や,ウクライナに加担することによるロシアからの核ミサイル攻撃の脅威についての言及も欲しかったと思う。

 参加者が,日本だけでなく,海外の若者とも意見交換したいという意志を持っていることや,SNSメタバースなどの新しい技術を介して,情報共有することなどの視点を持っていることを知って少し安心したが,正直言えばこういう考えを持つ若者は1割にも満たないだろうというのが筆者の思いである。

 おそらく,近いうちに日本は攻撃を受けるだろう。これに対抗する手段はないし,人材もいない。日本を離れようとする人が大半ではないかと考える。しかし,移民として受け入れてくれる国は,アメリカ以外にはないはずだが,アメリカではまだ日本を敵国と思っている人達も多い。日本を助けてくれる国は,それほどないと危惧する。

 これをベースに,本当に日本はどう行動すべきか,今のウクライナ紛争にどう対応すべきか,早急に動く必要があると感じた。