2023年3月21日、岸田総理大臣がウクライナを電撃的に訪問し,ゼレンスキー大統領と会談した。日本の総理大臣が外遊する場合,国会での承認が必要となるが,今回はインド訪問以降の日程は国会では報告されなかった。国会で報告されると,日程が明るみになり,邪魔される危険があったとされていた。今回は事後報告となった。トラブルを避けるためには,仕方ない判断だったようである。
G7の中で,ウクライナ侵攻依頼,ウクライナを訪問していなかったのは,日本の岸田首相だけだった。次のG7の議長国として,日本がリーダーシップを取るには,G7の他国と歩調を合わせる必要があったと考えられる。賢明な判断だったと言える。
正直,政治家,特に閣僚は大変だなと改めて思った。ゼレンスキー大統領が2022年12月23日にアメリカに電撃訪問したのも驚いた。バイデン大統領も,2023年2月21日にウクライナを電撃訪問している。
岸田首相のウクライナ訪問と同じタイミングで,中国の習近平主席がロシアを訪問し,プーチン大統領と会談した。
こうして見ると,ウクライナにG7各国が,モスクワでロシアと中国が,それぞれ集結し,明解な新たな東西対決の構図が見えてきてしまった。筆者には,一触即発で第三次世界大戦が起きないとも限らないと思えているのである。
しかし,かつての米ソ対立,今で言うと米ロ対立と思いきや,実際は米中対立であり,ロシアは宙に浮いてしまうことになる。一方で,北朝鮮は誰にアピールしようとしているのか,ミサイルやICBMの発射を繰り返している。漁夫の利を得ようという算段なのだろうか。
いざ第三次世界戦争が始まってしまえば,いちばん割を食うのが日本である。防衛力も弱体しており,攻撃力もない。欧米からではなく,アジア地域として,早急に決める必要がある。
いよいよ第三次対戦への後りが残り少なくなってきたと感じざるを得ない。日本も攻撃対象となる確率は極めて高くなった。その迎撃システムは,PAC3だけという,ほとんど無防備状態である。中国が実権を握っているように思われる。