2023/8/15 14:00ごろ,台風7号が兵庫県明石市付近に再上陸した。5:00ごろに和歌山県に上陸後,近畿地方を縦断しつつある。中心付近の気圧は985mPa,移動速度は時速15kmで,勢力があまり衰えないまま日本海に抜けることが予想される。
一方,日本海の海水温も高いことから,日本海に抜けた後,再び発達する可能性があり,その進路が北海道に向かうと予測されている。
現時点で,線状降水帯が鳥取県から岡山県の山沿いにかけて発生しているが,茨城県や岩手県でも海岸近くから山沿いにかけて強い雨雲が連続して発生している。線状ではなく,局地的な大雨が予測される。
これまでの台風だと,強風圏や暴風圏として描かれる円が,台風に伴う風雨に見舞われる範囲だった。台風が接近するにつれだんだんと風が強くなり,暴風圏に入れば雨も風も強く,台風の目に入ればいったん風雨は収まり,またしばらくすると風雨が強くなり,だんだんと風雨が弱くなって「台風一過」の晴天となる,というパターンだった。
ところが,地球温暖化から沸騰化へと進むにつれ,こうした台風らしさがなくなってきた。特に,台風から遠く離れた地域でも強い雨雲が現れるようになった。風の流れ×地形×海水温で線状降水帯を予測できるのではという仮説--ノロノロ台風がもたらした線状降水帯 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/8/10 と書いたが,台風を中心としたアウターバンド(放射状の雲の渦)だけでなく,線状降水帯がどこでも起きる可能性のある「影響圏」とも言える円を描くことができるように思えた。
図は,再上陸時の風の流れをベースに「影響圏」の円を描いてみたものである。
台風の中心からやや右寄りに膨らんだ巨大な円を描くことができた。この円の周辺から風の強い流れがあり,主に南の海からの湿った空気が台風に巻き込まれる流れの範囲で,記録的短時間大雨情報になるような集中豪雨が起きる可能性があると推定できる。
日本海に抜けた後,発達すれば,次に範囲に入るのは北海道ではないかと推定される。黒潮に沿って湿った空気が北上し,北海道にぶつかるのではないだろうか。
もちろん,西日本から東日本,東北にかけてのエリアも,影響圏から抜けられないので,風雨が残る可能性があると考えられる。
台風を含めて,低気圧による風雨が広域で影響を及ぼすパターンとして,この「影響園」を風の流れから予測できるのではないかと考える。
【追記】新しい観測衛星が2028年に打ち上げられるそうである(台風対策の切り札となる日本の「降水レーダ衛星(PMM)」とは–2028年度に打ち上げへ (msn.com))。こちらも期待したい。