jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ドローンが格安兵器として使われるなんて思いもよらなかった--自爆方式であり,これではまるで特攻隊だ

戦略兵器といえば,巡航ミサイルである。GPSで目標を捕捉し,音速の数倍と高速で低空を飛行し,数百km先の標的を捉える。価格は1本1億円とも言われている。場合によっては核弾頭を搭載できる。おいそれと発射するわけにはいかない。最終手段として大国が保持している。

 一方,ウクライナ紛争で使われているのが,自爆ドローンである。価格は1000万円と,一般人からすれば途方もない価格だが,兵器としては格安である。航続距離も数百km,時速は300kmとミサイルよりはるかに遅いが,やはり低空飛行やプログラム飛行ができ,GPSで目標を捉えることができる。通常の爆薬を搭載し,目標に突っ込んで自爆する(航続距離2000kmのイラン製と思われる攻撃型ドローン--これはもう巡航ミサイルだ【追記あり】 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/10/23 の記述では,航続距離は2000kmとある)。

 偵察用のドローンはより高性能が求められるため,1機5億円と高額で,飛行機タイプでプロペラ駆動である。市販されている小型ドローンが4個以上のプロペラで垂直方向に飛び上がるヘリコプター型なのに比べて,飛行距離の出る飛行機タイプである。まさか自爆ドローンがこの飛行機タイプで兵器として作られ,それが特攻隊のように目標に突っ込んで被害を与えるような使われ方をするとは思いもよらなかった。

 昨年の記述でも,この自爆ドローンが「Kamikaze」と呼ばれていると書いている。旧日本軍の特攻隊の名前が使われていることに非常に不名誉な思いだったが,追い込まれると人間,何でも武器にしてしまうのだろう。

 一般用の小型ドローンが集団で飛行することで殺人兵器として使える可能性については,ドローンによる協調動作に不安 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/7/24 の東京オリンピック2020でのパフォーマンスのときに感じた。カメラを持った小型ドローンが隠れ家の中まで侵入して,相手を見つけ,小型の銃で相手を撃つ,といった光景を想像していた。かなり高度で綿密な作戦だと感じ,これが将来起こるかもしれないと不安に思った。現実,中国がドローン部隊の出動を準備しているという情報もある。

 しかし,ウクライナでのドローン使用は,せっかくのハイテク技術で単純な爆発を起こすという実に安っぽいやり方である。コスパ重視で武器を準備するというのは,相手に対してまことに卑劣である。

 ドローンは,人類に羽根を付けたような,ある意味で魅力的な技術である。それを戦争や犯罪に悪用するのは人類の技術に対する冒涜である。