jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

福島処理水の2回目の放出開始--流し方に誤解を招く可能性

東京電力福島第一原子力発電所の処理水の2回目の放出が2023/10/5に始まった。トリチウムの濃度は基準以下と測定されており,1回目と同様,問題はないと判断する。

 しかし,関係者には申し訳ないが,他人の視点から見て誤解を招く放出方法と取られかねない点があるので,指摘しておきたい。

 処理水の放出について筆者は,福島原発の汚染水を放出する件 - jeyseni's diary (2020/8/27)のブログの中で「数十kmの長さのチューブ」が必要と書いている(なお,このときは「汚染水」と書いている。実際,タンクの中に溜まっているのは,トリチウムなどを取り除く前の段階で,その後,放射性物質を取り除くALPS処理装置で処理したあとに放出することが進められている)。

 ところが実際は,放水路は1km沖で開口しているという。マップで1kmを測ると次図のようになる。

福島第一原発の処理水放出のルート


 やはり1km先というのは,ちょっと海岸に近すぎるのではないかと思う。実際に,処理水を放出した後の航空写真を見ても,処理水の放出によるものと思われる海水色の変化が見られる。放出により,海底の砂などが巻き上がったことによるものと思われる。

 処理システムの概要は以下のサイトに紹介されている(希釈・放水設備の状況 | 東京電力 (tepco.co.jp))。「放⽔⽴坑」と書かれた辺りが,報道で映されている水の流れは,この部分を撮影したものと思われるのだが,オープンになっている様子なので,そこから溢れているのではないかと思わせる面がある。

 放出路については,やはりもう少し沖合まで延ばすべきではないかと考える。低コストで実施するには,筆者が提案しているような樹脂チューブが適切と考える。地震対策で地下の下水道に採用されているフレキシブルチューブを使えば,数kmの排水路を低コストで作ることは容易だと考える。排水が30年にも及ぶとすると,追加工事は可能だと考える。