jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

AIスマホの登場と,AIで簡単アプリ作成--論理思考の部分がブラックボックス化する懸念

生成AIとスマホの融合 AIスマホ時代がいよいよ到来(CGTN Japanese) - Yahoo!ニュース(2024/3/1),なんと「AIに丸投げ」で「アプリ」が作れるスゴい時代が来た…意外と知らない「ChatGPTの使い方」 (msn.com) (2024/3/1)。

 朝からこんなAIがらみの記事に出会ってしまった。スマホにAIが搭載されると,その場で外国の人との会話が違和感なくできてしまうようになるという。これまで見過ごしていた情報がどんどん提供され,手で操作することもなく,そのうちちょっとした仕草や声のニュアンスでAIが判断して的確な操作ができるようになるのかもしれない。

 「ChatGPTでプログラミング」はアリ--記号1文字の間違いでバグになるような世界こそ,コンピュータにやらせよう - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2023/4/12)と以前に書いたのだが,どんなアプリを作りたいか,ということだけを入力すると,AIがプログラムを生成できるらしい。定年後にプログラムを勉強しなおして,自分の好きなアプリを作る,といった小さな野望がくじかれそうになっている。

 NVIDIAのCEOが「AIがコードを書くのでもうプログラミングを学ぶ必要はない」と発言して議論を巻き起こす (msn.com) (2024/2/28)という記事もあった。ただ,プログラムの基礎を知っていないと,改良もできない。ブラックボックスにしてはならない。

 日本の小学校で始まったプログラミング学習と探究学習も,論理的な思考を育てるために役立つとは思うのだが,AIで「結論」を入力するだけで,それまでの論理的思考をすっ飛ばしてプログラムが完成するのなら,学習の必要がなくなる。まして探究のように方向性を与えずに議論することが重要というだけでは,知識も何も生まれない。

 出版社の仕事の関係で,文献整理をするために,zoteroという文献管理システムを使ってみた--今の研究者は楽になったのかも - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2023/1/17)と報告し,その後もさまざまな機会に助けられている。特に,中国の著者の名前をどう約すかとか,ジャーナル名の省略形の記述とかでは,的確な出力に驚いている。ところが,日本のジャーナルや雑誌の論文や日本の書籍を入力しても,日本語の文献書式で出力されるだけで,英語にはならない,というちょっとした不具合が見つかった。書籍の英語版を発行しようとすると,すべて英語表記にする必要があるからである。

 ここで,「ひょっとしたらChatGPTはどう使えるか」をMicrosoft Edge搭載のCopirotにぶち込んでみた。「次の文献を英語に直してください。xxxxx」と入力すると,なんと多くの場合でたとえば日本のジャーナル名の英語表記が返ってくるし,著者名もおそらく正しい読みで英語化されて出力された。文献表記にならない書籍では,英語タイトルや英語の出版社名などを情報として返してくれたので,あとはこれを組み替えれば文献表記になる。

 これまで,ファイルメーカーを使って,たとえば2000以上のジャーナル名とその省略表記をテーブル化し,これを順次対応させて変換してきた。これはこれで正しいやり方であり,プロセスをすべて自分でコントロールしているから,その結果に自信がある。ただ時間はそれなりにかかる。

 まあ,文献整理は仕事の中でもいちばん時間がかかる機械的な仕事なので,これを自動化することは担当者として挑戦してきたことであり,正規表現を使ってそれなりに実現してきた。AIもうまく使っていく段階に来たのかもしれないと思う。

 ただ,AIスマホにコントロールされるのは嫌だな,という拒否感が残っているのである。