jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

身体は旧式のロボット,頭はメタバース--将来の人間は,破壊された環境に適応した種が生き残るのか

人間は,どんどん退化していっていると感じる。不便を解消するために人間が生み出したさまざまな発明が,人間の能力を越えつつあるからである。

 たとえばクルマは,モノを動かす手段としての車輪の発明が基礎になって,自分自身を移動させる手段となった。しかし,現在は自動運転に向けての開発が進み,勝手に動く別の生き物のようになってしまいつつある。膨大な数のセンサーを搭載し,ついに視覚センサーまで搭載して,周囲の状況を判断するコンピュータも,高度化の一途をたどっている。

 一方で,クルマに乗る人間は,何もしなくてもよくなりつつある。手放しでも衝突することなく,目的地まで行けるようになる。ナビではなく,無人タクシーのようになってしまう。どのように走るのかはクルマ任せになり,何も考えなくなる。感覚の鈍っている高齢者が最新のクルマで暴走してしまう辺り,主体が代わってしまっているような気がする。

 人間の感覚機能も,退化していっているように思う。センサー性能は落ちていないのだが,たとえば接触後の反応の鈍さを見ると,伝達系および基幹処理系の処理能力の退化,あるいは機能不全を起こしていると言える。

 人間には第六感という非接触センシング機能があるのだが,これがまったく退化してしまっている。事前に予測する,雰囲気で読み取る,といったセンサー機能がまったく働かない。すれ違いざまに身体を捻って避けるとか,そういう行動への反応がない。センシングもしなければ,処理も反応動作も行われないのである。

 これでは,ただプログラムされた動きだけを正確に繰り返すだけの初期の旧式なロボットとなんら変わらない。人が近づこうが,自分がプログラムされた通りにしか動かないから,人身事故も起こるのが当たり前だった。今の人間関係は,これに近いように思える。スマホ歩きもそうだし,歩道でもぶつからないようになどと周囲を見ている人にはほとんど出会わない。こちらが先に避けなければぶつかってしまう。

 イーロン・マスクが頭にチップを埋め込み,埋め込まれた人が意識するだけで,コンピュータを動作させることができたと発表している。まだまだマユツバものなのだが,身体をネットワークにつなげようという動きは加速している。いずれ,記憶は外部メモリーメタバースにつながり,万能の知識を使えるようになるのかもしれない。考えたことが「プロンプト」になり,生成AIがその結果を出すので,あとは表示すればいい,というだけになる。

 これが人類の進化なのかもしれない。あとは,不老不死の遺伝子操作が加われば,死ななくなるし,空中や水中から栄養を取れるように遺伝子操作すれば,食べ物も要らなくなる。環境破壊が進み,気温が上昇し,食べ物がなくなる中で,温度に鈍感で,食糧不要という人類のみが進化して生き残るというシナリオである。こうなると,火星移住なども当たり前のように思えてくる。

 逆に,人間そのものがセンサーであり,コントローラーになって,まさにガンダムの中に組み込まれたような形で宇宙侵略をするのかもしれないと思うと,恐ろしくなってくる。

 現在人は生き残れないのかもしれない。いや,生き残れる人もいるのかもしれない。それは筆者とは,まったく異なる種族であり,筆者が理解できない人たちであり,筆者の言葉が届かない人たちなのだろう。もはや何を言っても目を覚ますこともないのかもしれない。