jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

火災ガスや可燃物を真空で吸い取って消火--真空吸引消火法はなぜ実現しないのか

2024年春休みミニイベント もっと知ろう!火災と消防 | 科学技術館 (jsf.or.jp) (2024/3/25-31)。今週だけのイベントにたまたま出会った。消防服などの実物展示もあった中で,目にしたのが「真空吸引消化法」のポスターである。火災で発生した有毒ガスと共に燃えている火災源を一緒に吸い取って消火する方法である。開発した豊橋技術科学大学教授の中村祐二氏による解説ページは以下(火災を「吸い込んで」消す! ~真空吸引消火法の開発~ | 研究シーズの泉)。

 筆者は,火災に対してこれまで2種類の投稿をしている。1つは,散水するパターンを自動化し,より効率的に消火する方法(マイクロバブルで効率消火できないか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/28),もう1つは,燃え広がる前に対象を破壊して消火する破壊消火である(火事・山火事に「破壊消火」。江戸時代に学ぶ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/8/11)。

 今回見かけた真空吸引消火法は,初期火災段階でしか効果がない。中期以降になると,吸引するガスの量が増え,可燃物も吸い込んでしまうので,吸い込んだ後処理が大変になりそうになる。ただ,かなり大規模な火災に対応できるシステムを用意できれば,有効な消化法のように見えるのである。

 2013年に中村教授から特許出願されており,2019年は2020年にもニュースになっているが,実際の装置は開発されていないのかもしれない。

 一家に1台,真空吸引消火装置,というのが初期消火には必要かもしれない。家庭での火災の原因として,台所の油やストーブの転倒,そしてコンセントからの発火である。前者の場合,油の量はせいぜい2リットルぐらいである。これを早めに吸い取ってなくしてしまえば,燃え広がる前に火種をなくすことができる。しかし,燃えている天ぷら鍋に向けて消火剤を掛けるのも怖いし,逆に広げてしまうこともある。吸い込んで密閉してしまえば,そこで燃え続けることもない。

 ある程度,本格的なシステムを作って実験できないものだろうか。