jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

大野埼玉県知事にエールを送りたい

テレワーク中で,昼食時間にテレビを見る機会も多い。ワイドショーに対するダメだしも,この視聴がベースになっている。司会のミスリードが激しい中で,比較的よく見ているのがTBSの「ひるおび!」である。司会の恵俊彰氏のミスリードもかなりきわどいが,田崎史郎氏や八代英輝氏がうまく制止しながら話が進んでいく。この辺りはバランス感覚のある番組作りかとも思う。コメンテーターのうち一人は女性が入っている。本来はスタジオのレギュラー陣にも女性が入るべきだろうが,しっかりしたコメントが聞かれることが多く,バランスを取ろうとする努力は見える。

 さて,2021/3/5の番組では,首都圏1都3県の緊急事態宣言の2週間延長について4知事が首相と話し合って合意したことを受けて,埼玉県の大野元裕知事がゲストスピーカーでリモート参加された。

 埼玉県の医療体制の整備状況が解説され,重症者が必要な治療を受けられる体制を取ったことが紹介された。また,保健所の業務の一部を県庁に移すことで,新型コロナウイルスに対応するための保健所の業務をサポートしたことが紹介された。さらに,感染経路や濃厚接触者の「積極的疫学調査」を埼玉県では全面的に継続していることが紹介された。これにより,感染ルートが明らかになっていない割合が東京都や他県と比べて低いこと,また変異ウイルスの感染ルートの把握もできていることが伝えられた。

 首都圏でも,埼玉県は感染者数は東京,神奈川に次いで多い。神奈川より多い日もあった。その中で,きちんとデータを取ること,その業務のバックアップ体制をきちんと構築したことは,非常に評価できる。

 埼玉県は,残念ながら保健所の数が激減している。筆者の住む市にも保健所がなく,隣市にある共通の保健所が地区を担当している。感染が疑われたら真っ先に連絡してお世話になるのが保健所なのだが,住んでいる市に保健所がないというのは,なんとも不安である。その中で,県全体で病院の受け入れ態勢を整えたり,保健所業務をサポートしたりという政策を聞いて,「なんだ,埼玉県っていいところだな」と思った。大野知事の株も上がった。

 今日の「ひるおび!」でもう一つよかったのは,菅首相がこれまでの感染確認者の増減だけでなく,病床逼迫率,重症者数の推移について言及し始めたことを伝えてくれたことである。筆者は,この病院の状況をもっと細かく伝えるべきだとコメントしてきた。入退院の実数を公開すべき件 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/31。感染確認者数が減少傾向に入って,緊急事態宣言を早期に解除した自治体もあるが,感染確認者数の減少傾向が鈍っていることだけで,宣言を延長するには根拠がなさすぎる。ここに病床の状況をより詳細に知ることで,医療逼迫が継続していることを認識し,対策に役立てる動きが出てきたことで,ようやく認識されてきたか,という印象である。

 この点について,レギュラーの八代氏が最後に評価したことも大きい。MCの暴走をコメンテーターが制止するこのバランス感覚は,ワイドショーの中でも筆者が視聴できている理由なのかもしれない。多くのワイドショーが,MCが暴走してもそれを止められないケースや,コメンテーターがさらに火に油を注ぐケースがほとんどであり,見るに堪えられない。お笑い芸人の中でも,比較的ソフトな芸風の恵氏だからこそのバランスなのかもしれない。ちなみに,同氏が主演していた「はぐれ署長の殺人急行」は,筆者も楽しんだドラマだった。警察庁で警視長というエリートが地方警察に左遷され,そこで現場の刑事ともめながら難事件を解決する。最後の決め手は,ダメ署長だが自らの階級で捜査の指揮権を取るという水戸黄門的な演出なのだが,おどおどしながら階級証を出すあたりが奥ゆかしい。実際のMCとしてもそういう人柄なのだと思いたい。