jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

自転車用の交通標識を整備してほしい--「赤信号で停まれ!」「右側通行は“逆走”で禁止」など

自転車の交通マナーの悪さが改めて浮き彫りになっていると感じる。その理由の1つに,交通標識がすべて「クルマ用に作られている」ことが原因だと筆者は考える。

 道路というのは基本,クルマと歩行者のためにあり,歩行者の安全のためにクルマ側に規則(ルール)があり,それを示すための標識が設置され,それを守れる人を認定するために運転免許制度がある。つまり,基本的に歩行者はルールなしに歩いていてもよく,歩行者が自動車事故に遭えばその責任は基本的に100%クルマの運転者にある。「歩行者優先」が原則であり,注意義務はクルマ側にあるからである。原動機付き自転車(原付き)以上の二輪車も,基本的にクルマのルールに従うことになっている。原付きの場合は,最高速度30km/hと,2段階右折,高速道路への進入禁止などが追加されるが,あくまでも免許制度の範疇だし,歩行者に対しての保護が義務付けられている。

 もちろん,クルマの通行の妨げになるような歩行者の行動を規制するために,歩行者用信号機も設置されている。高速道路や自動車専用道路は,歩行禁止であることは言うまでもない。しかし,歩行者が守るべきルールは,信号で停まることであり,自分の身を守るために左右の確認をすることは当然のマナーである。

 ところが,自転車には明確なルールもなければ免許もない。また道路区分も曖昧である。現在,自転車の通行に関わる標識は,東京都内を中心にようやく路上に付けられた青い通行区分の矢印マーク以外は,歩道にある「自転車走行可能」マークのみである。自転車事故による死亡件数を減らそうとヘルメットの着用努力義務制度がスタートしたが,法的な縛りもない(自転車の新ルールに疑問(個人的な意見です)--この際,街路樹を取り除いて自転車レーンを高速/低速の2レーン分確保する案を提言 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2023/2/15)。その他,車道通行,左側通行,一時停止,夜間ライト点灯,飲酒運転禁止などが発表されたが,その後,ニュースで見るような取り締まりや安全指導を近くで見かけることはない。

 クルマの運転者から見ると,自転車の車道走行は非常に危険と思える。もともと,歩行者が自転車と接触することで重大事故が発生したことで,「自転車も歩行者から切り離す」ことを目的に設けられた規則である。これによって歩行者の安全が図れるのはいいことである。しかし,今度は自転車とクルマやバイクとの接触事故の可能性が大きくなっている。街中であれば,クルマもせいぜい時速30kmなので,自転車とそれほど変わらない。車道を走る自転車をクルマが追い越しても,次の信号で追いつかれることを繰り返す。しかも,青信号になった途端に,後ろからすり抜けて前に出る自転車に気づくのは非常に困難である。

 左側通行をルール化したところで,免許も指導も受けたことのない自転車ドライバーにとって,右側通行をしていても何の意識もない。しかし,右側通行はクルマにとっては対向車の逆走と変わりないほど恐怖である。

 ここまで書いて,本来は自転車を運転するための免許制がやはり必要なのではないか,と思うのだが,クルマの免許のために20万円は掛けられても,自転車の免許のためにお金を出す人はまずいない。その指導や免許試験をする人材もいなければ場所もない。結局は有名無実になってしまうので,免許制の導入は困難である。

 ならばどうすればいいかという点で次の提案をしたい。それは,「自転車通行用の標識を国土交通省が指導して全国一律できちんと決めて,即座に設置する」ことである。

 たとえば交通量の多い国道では,車道と歩道があり,歩道はガードレールで守られているので歩行者の安全は確保されている。しかし,自転車が車道を走るとすると,クルマと自転車が同じところを走ることになり,クルマとの接触事故を避けることができない。現在はこの自転車走行帯に青い矢印マークを塗って自転車の走行ができるようになっているが,この青矢印マーク上にクルマが入ってはいけないというルールはないし,青矢印マーク上に駐車するクルマも多い。すると,自転車はクルマを避けて車道側に入り込むことになり,クルマとの接触の危険性が増す。つまりこの青矢印マークは,規制もしなければ,安全確保もしないという,非常に無責任な設置になっているのである。

 自転車を車道で安全に走らせ,クルマに対しても事故を引き起こさないようにするには,この青矢印マークだけでなく,厳密な車線分けをする必要がある。また,「自転車専用レーン」と標識を出し,クルマの走行は禁止するなどのルールを明確に表示する必要がある。この自転車専用レーンを作れない場合は,歩道にある街路樹の幅を自転車用に改装することを提案したのである。

 ただ,すべての道路に自転車専用レーンを作ることは現実的ではない。歩道がある道路で原則的にすべて自転車専用レーンを作ることを改めて提案する。

 しかし,どうも自転車専用レーンの設置だけでは十分ではなさそうである。というのも,自転車ドライバーは何の教育も受けていないし,ルールを破ったからといって免許を剥奪されるわけでもない。とにかく自己勝手な行動をとってしまう。

 そこで,とにかくうるさいぐらいに「自転車用標識」を立てることを提案する。

 たとえば,信号のある歩道では,「自転車も赤信号では停まれ!」と手前に標識を立てるべきである。車道内においては,「自転車の右側通行は“逆走”です!」という標識を立てるべきである。駅前のロータリーは時計回りに規制し,自転車が進入する場合もこの時計回りルールに従わせるべきである。「ロータリー内の直進,反時計回り走行は禁止」と,進入の可能性のある交差点に標識を立てるべきである。

自転車用標識のイメージ


 あくまでも歩行者の安全を優先するのなら,歩道の自転車通行は全面的に禁止すべきだと考えるが,その次に自転車の安全通行を守るために「自転車専用レーン」を早急に設置すべきである。

 そして,車道通行が原則になるので,ヘルメット着用は義務とすべきであり,ヘルメットなしでの走行は禁止すべきである。ただ問題なのは,「今の自転車用ヘルメットでは,クルマとの接触や衝突による事故時の命を守ることはできない」ということである。はっきり言って,今の自転車用ヘルメットは,「自分で転倒した際に頭を傷つけない」程度の保護能力しかなく,転倒によってまともに頭を打った場合の脳震盪や脳へのダメージを防ぐ能力はまったくない。まして,クルマに巻き込まれたときに頭蓋骨骨折を防げるような強度も持ち合わせていない。

 したがって,自転車を車道通行させた上で自転車ドライバーを保護するには,少なくとも原付きバイク用ヘルメットクラスの高強度のヘルメットの着用義務が必要になってくるはずなのである。

 「ヘルメット非着用時の死亡率は2倍」と言っているのは,おそらく統計上のまやかしの数字である。歩道で歩行者とぶつかって転倒,あるいは自損事故の場合の数字であり,クルマへの巻き込み事故の場合,死亡率はほぼ100%に近いはずだからである。

 それでもヘルメット着用を「努力義務」とする背景には,また業界との癒着構造があるのではないかと疑ってしまう。

 今の現状を踏襲するなら,自転車用の「赤信号で停まれ!」「右側通行は“逆走”で禁止」を各所にまず設置することを提案したい。その標識設置があれば,警察も取り締まりや指導をしやすくなるではないだろうか。

 逆に,業界との癒着問題などを暴露されたくなければ,自転車通行を原則として歩道内とし,しかも歩行者と分離するためのスペースを確保するために街路樹を取り除いてガードレールの内側に自転車レーンを確保することを改めて提案する。

 正直言って,街路樹は本当に必要なものなのか疑問なのである(樹木の力を甘くみると地震で壁が崩壊する - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/27)。大きく育って葉が茂れば信号などの標識が見えなくなる。冬になれば大量の枯れ葉が落ち,道路上も歩道上も滑りやすくなる。枝打ちや枯れ葉掃除などのメンテナンスにかかる時間,費用,人材もムダである。根が発達すると舗装を持ち上げてガタガタになるし,その状態で台風によって倒木する可能性も高い。今のような間隔で植えられていても,クルマが突っ込めば歩行者を保護できない。地球温暖化に寄与しているともほとんど思われない。

 過去には,この街路樹の間に郵便ポストがあったり,公衆電話ボックスがあったりしたが,今は信号機,街灯ポール,電柱しかない。ならばこの幅1mのスペースを有効活用すべきではないのか,というのが筆者の主張である。そうすれば,今のスペックの自転車用ヘルメットでも十分だし,クルマとの接触事故はなくなるし,すべてハッピーだと思うのである。

 自転車問題,少子化問題年金問題,防衛問題,産業問題,そしてマイナンバーカード問題や新型コロナウイルス対策,LGBT問題,入管難民法問題など,政府の出してくる政策が,すべて行き当たりばったりに見える。誰が議論をしているのか,有識者って誰のことだ,と言いたくなってくる。