jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

福島第一原発の「ALPS処理水」は,関係者が飲んで安全アピールするしかないのでは--ご指名があれば参加するぐらいの自信はある

福島第一原子力発電所の冷却水を溜めるタンクの容量がほぼ満杯になり,これを処理して海洋放水することが決まった。排水するための海底トンネルが完成し,まず普通の水の排水テストが始まった。
 筆者は,海洋投棄するしかないという意見を出していた(原発廃水の海洋投棄を改めて支持 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/4/13,福島原発の汚染水を放出する件 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/8/27)。今回作ったようなトンネルをわざわざ掘るような大げさなものではなく,海底ケーブルのようなフレキシブルチューブを使う方法である。あいかわらずモタモタした対応に感じる。
 国側や東京電力側は「処理水」と呼び,安全だと宣言し,それも国際的組織により証明されたとしている。国側,つまり経済産業省のホームページには,以下のように説明されている(https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/hairo_osensui/shirou_alps.html)。
 一方で,反対側は「汚染水」と呼んで,排水に反対を続けている。
 「安全・安心」の基準は個人によって異なるから仕方がない。通常の水道水ですら,厳しい基準を決めて「安全」と宣言しているが,それも気になる人はミネラルウォーターを注文して飲む。購入したミネラルウォーターも安全かどうかという保証はない。実際,普通の水道水をボトルに詰め込んだだけでミネラルウォーターと偽って販売されたケースも報告されている。
 今回の処理水は,ALPS処理水と呼ばれており,ほとんどの放射性物質を取り除いている。処理しきれていないのはトリチウムという放射線物質である。これをさらに100倍以上に薄め,IAEAの基準以下,日本の厳しい水道基準以下にして放出する。自然界のトリチウム濃度と同等まで下げてあるという。
 だから安全か,と言えば,やはり身体には入ってほしくないと思うのが普通の神経である。それは理解できる。しかし,そんなことを言っていては,ほかの汚染物質を流し続けている各国,そして一般人も洗剤やさまざまなモノを何も考えずに下水に流している。下水処理はして放出した水も,水道水にするにはさらに高度処理が行われる。
 実際,海や川の魚介類には,マイクロプラスチックや水銀など様々な汚染物質が蓄積されている。陸上の作物も,化学肥料が蓄積しているし,地中の放射性物質を吸い上げて蓄積する。これらをすべて拒否することは,現代社会では無理である。
 世界基準に合格しているから,自由に流してもいいというわけではない。正直,本当に基準を守って排出し続けるよう監視されるかどうかも疑問は残る。そこは東京電力の良心と責任に頼るしかないのである。
 福島県産の米や魚の放射性物質汚染は,現時点では基準以下になっているが,いまだに相当のバッシングが続いている。今回の海洋放出によって,主に海外からは再度批判が出るのだろう。
 しかし,物理的に限界が来ているのも事実である。次の大地震が来たら,すべてのタンクが一気に崩壊して,基準値以上の「汚染水」がそのまま流れ込むことは確実である。
 筆者としては,関係者がその水の安全度を身をもって示すしかないと考える。政府関係者,東電関係者,そして福島県関係者が,かつての米の試食会のようなイベントを企画するしかないのではないだろうか。別に,毎日飲み続けろと言っているわけではない。単にアピールするべきだと言っているのである。
 もちろん,筆者も呼ばれれば参加してもいい。これによってもし健康被害などが出るのなら,因果関係は明確だからである。まあ,反対側も因果関係をまたどこかの科学者に依頼して証明しようとするのだとは思うが。